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アレクサンドル・ベリャーエフ 作
「両棲人間」

Александр Беляев
Человек-Амфибия

発掘禄9 講談社 たのしい六年生ふろく版のこと

2006.22

ヤフオクに……

 先日、GARAMONさんからメールが来ました。GARAMONさんは、この手のジョブナイルSFの記事を書く、プロの方で、収集家でもあります。
 そのメールには、ヤフオクのアドレスが。


 

 し、知らないよこれ! 噂にも聞いてなかったよこれ!
 しかし、この存在の可能性を見落としていたのは、私の失策に違いありません。この手の「ドウエル教授の首」があることは、知っていたのですから。
 終了時刻まですでに24時間をきっています。
 さっそく入札し、落札できなかったときのために、画像を保存したのでした。


 

 そして、なぜこれが私のチェックにひっかかってこなかったのか、調べてみることにしました。
 出品物なコミックのカテゴリーで、タイトルにも本文にも両棲人間という単語はありません。しかし、ベリャーエフとは明記されています。けれど私は定期的に、全ジャンルに対してベリャーエフで検索をかけています。ベリャーエフを検索するなら、ベリャーエフか、ベリヤーエフで十分です。
 ……検索できません。
 けれどヤフオクの検索は、こうした取りこぼしが多いのです。検索サイトがメインのくせに。そのメインのヤフーだって、うちの「子どものサイトの作り方を考える」というサイトに、「子どもの作り方」で検索した人を案内してくるという……。ヤフーから来る人で一番多いのが、「子どもの作り方」で検索した人ってのは、どういうことよ……。
 それはそれとして、そこで外部のヤフオク検索サイトから検索をかけます。そっちのほうが、よっぽど確実に正確にヒットします。
 ……検索できません。
 出品されているタイトルで検索しても、本文の単語で検索しても、ヤフオクの機能を使おうが、外部を使おうが、まったくヒットしないのです。
 収集範囲の広いGARAMONさんのことです。きっと総当りをしていて見つけたに違いありません。総当りをしていたり、別の出品の出品者のリストから、欲しいものがないか探していたんじゃないかと思います。
 実はヤフオクでは、出品者としては腹立たしいことに、こういうことがたまにあるのです。そんなときは、いつまでたってもアクセス総数が増えません。とはいえ入札側からは、アクセス総数もウォッチ数も見えません。終了時間が迫っているのに入札がなくても、まるで安心できません。
 いったい、今回はどちらなのでしょう?

 

 で、最低価格で落札できました。
 検索抜けになっていたのか、それとも欲しがる人がいなかったのかはわかりません。
 よーわかりませんが、500円+送料で手に入ったのですから、文句はありません。
 しかしGARAMONさんが教えてくださらなければ!
 感謝感激です。ありがとうございます。GARAMONさん!

 

 で、現物きました。
 ……よーわからん品物だなあ。
 超ダイジェストだ、ってことは、見るからにわかります。
 けれど、講談社版2種とも偕成社版とも違うのです。
 講談社版>青い鳥文庫版>ふろく版 という図式も、微妙になりたたないのです。
 翻訳が、北野純ですから、それは当然かもしれませんけど。
 でも内側の、読者のみなさんへ の署名が木村浩。
 えーっと、昭和38年発行か……。

 ここで私は重大な間違いを犯しました。『海の悪魔』は、昭和38年ではなく、昭和36年の発行だったのです。見間違いです。
 ということは、『海の悪魔』と、偕成社版『両棲人間一号』の出版の前後が逆になるのです。ということは、もちろん、偕成社版の挿絵を見て『海の悪魔』の挿絵を描くことなどできません。逆です、逆でした。
 ごめんなさい。
 2024/8/25

 グッチエーレが、イフチアンドルは自殺したと誤解するシーンがないので、意味不明な部分も。
 この長さの、しかもよく知った話のダイジェストをつくっていると、よくあるんだよなー。こういう整合性のミスは。
 いつものオルセンのセリフと、ラストのバルタザールのセリフについては……。
 その章がまるっきりない!
 牢で、イフチアンドルとサルバトール博士が別れをかわして、そこでぶちっ! と終わっている。
 誤解のシーンがないのはミスとしても、教会の介入などはまるごとないので、おかしなところはない。
 絵は全部、描きおろしみたいですけど……でもなんか見たことが……。おかしいなあ。講談社版とも違うし。
 あぁっ!!!!! これっ!!!



偕成社版の絵のリライトじゃん!


逆でした! 以下、修正入れてます!




左が偕成社版 右が講談社たのしい六年生ふろく版
必要な引用の範囲内として、画像を使用させていただきます。

 そーなんです! 偕成社版の絵は全部、描き下ろされているようです。
 でも構図が同じなんですよ! いや、構図とかいう問題じゃなしに。顔の向きだけ違ってるとか些細な違いがあるだけの、ハンドコピー!
 全部が全部じゃありません。偕成社版独自の挿絵もありますし。

 他、表紙→内表紙のイルカの背に乗るイフチアンドル、イルカの背に乗るイフチアンドル、潜水するズリタとバルタザール、女の子を抱いたクリストーバル、猿犬に驚くクリストーバル、イフチアンドルに会うクリストーバル、グッチエーレのことをクリストーバルに語るイフチアンドル、グッチエーレとオルセンを盗み見るイフチアンドル、イフチアンドルの痣を見つけるクリストーバル、ラプラタ湾の底を行くイフチアンドル、池の中からグッチエーレの前に現れるイフチアンドル、法廷のサルバトール博士(検事)、牢獄でのサルバトール博士とイフチアンドルが、類似しています。

 何がどうなっているのか、わけわかんねーッ!
 わかんないけど、まあ、いいや。講談社と偕成社と翻訳者とイラストレターのあれやこれやであって、両棲人間的には新情報ないしね。


   

次頁予告

 

 立て続けに、ってこっちのほうが先にニュース入ってきてたんだけど、2004年にロシアで放映されたTVドラマ版両棲人間のDVD(英語字幕入り)が、ついに我が手に! 入るといいなぁ……。


ドラマ版