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(C)山北篤

(HJ版スペオペヒーローズの)後書き

 スペースオペラというと、どういうイメージを抱きます? 宇宙艦隊の激突する壮大な宇宙絵巻というのが1つの答えだと思います。また、泥臭く地味ながら宇宙に生きる渋い男の生き様を描いた小説というのも、1つの答えでしょう。でも、大宇宙を縦横無尽に暴れ回るかっこいいヒーローの物語というのも、1つの答えだと思います。
 スペオペヒーローズは、この3つ目の答えを実現するためのRPGです。どちらかというと、B級スペオペと呼ばれるものです。B級スペオペへの悪口はたくさんあります。ストーリーがワンパターンだとか、出てくるキャラクターが類型的だとかです。
 確かにB級スペオペは高尚なストーリーじゃありません。でも、B級はB級だからこそ面白いんです。パターンだっていいじゃないですか。ありきたりのキャラクターのどこが悪いんですか。それを、僕達が楽しめるのなら、それは立派なエンタテイメントです。
 スペオペヒーローズは、こんなB級スペオペを楽しむために作られました。

 ある意味で、非常にマニアックなRPGかも知れません。汎用性を全く考えないで、システムを作っているからです。スペオペヒーローズは、未来世界の軽いパターン化したヒーローストーリー(普通はスペオペと呼ぶ)をRPGするためだけに作成され、スペオペのストーリーを創るためだけにシステムが設計されているのです。
 つまり、特定のストーリーを念頭において、そのストーリーを再現するためだけに設計された、専用システムなのです。スペオペ以外のジャンルをプレイするようには出来ていません。その代わり、そのようなジャンルをプレイするなら絶対に面白い自信があります。

 スペオペヒーローズの完成には、多くの人々の協力がありました。
 そもそも、このRPGのアイデアは、伸童舎の松本富之氏との会話の中で生まれたものです。最初は、松本氏との共同制作にしようという話だったのですが、彼が超多忙なために、私一人で作ることになりました。それでも、ジャンプドライブを拾ったものにするという設定など、松本氏のアイデアが各所に使われています。
 後半のソース部分の拡充のためには、サークル・ギルドマスター(ライターグループのギルドマスターとは別)の細江弘美嬢※1・尾作幸充氏・田中務氏、Grey lordsの桂令男氏、うちの妹の山北和代等が、様々なアイデアを出してくれました。また、ルールの整備のために、Nifty-Serveのいろもの物理学者・SHIGE・JSTAK・JUN・kei・おぞんmkVの各氏の協力を得ました。シナリオは、豪華なことに牧山昌弘・高平鳴海の両氏が書いてくれました。※2
 そして、何よりも、私にスペオペの楽しさを教えてくれた、たくさんのスペースオペラのおかげで、このRPGは完成しました。
 本当に、ありがとう。

                                山北篤

(HJ版スペオペヒーローズ2の)後書き

「ようやく出せた」
 これが感想だ。今回の『スペオペヒーローズ2』ほど苦労したものは無かった。気に入らなくて原稿を破棄したこともあったし、どうしてもいいアイデアが思い付かなくて1歩も進まないこともあった。
 三野賛氏の多大な協力が無ければ、決して出なかったかもしれない。本当に、感謝に絶えない。実際、三野氏は、宇宙船建造ルールなどのコア部分を作ってくれ、それ以外にも色々なアイデアを出して協力してくれた。
 また、シナリオを提供してくれた人々にも感謝したい。特に、同じくスペースオペラを扱ったRPGである『クレギオン』を製作しているホビーデータの宮川健氏は、どう考えても無茶な依頼を快く引き受けてくれた。本来なら怒られても仕方の無いことを、「それは面白いですね」とひょうひょうとした笑いと共に受けてくれた氏には、本当に感謝に絶えない。※2
 もしも、このRPGを気に入ってくれたなら、これからもお付き合い願いたい。私は、今後も『スペオペヒーローズ』のサポートを続けて行くつもりだから。


※1 細江ひろみ、つまり私のこと。このころはプロ作家でもなく、ましてや山北篤と結婚するとは、思ってませんでしたけどね。
※2 今回のネット版は、山北および細江の著作物のみということで、未収録です。
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