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(C)山北篤

第16章 ガジェット

 スペオペなどに出てくる、不思議な機能を持った機械などをガジェットと言います。例えば、レイガンや反重力フィールドなどです。ギャグっぽくなると、透明ベルトやX線グラスなどもその例です。
 スペオペに出てくる悪人は、よくこのようなガジェットを使っていますし、ヒーローの方も「実は密かに開発しておいたのだが」などを言って新兵器を出すこともしばしばあります。
 そこで、スペオペヒーローズのゲームマスターのために、このようなガジェットを作るにはどうすれば良いか、様々なヒントを載せておきます。

大きくする


 どんなものでも巨大化すれば、スペオペのネタになります。それが、機械であっても、生物であっても、主人公であってもです。

巨大マシン


 超巨大な宇宙船とか、巨大要塞や巨大戦車など、攻撃的兵器を巨大化するのは、悪の科学者がよくやることです。スペースコロニーを巨大なレーザー砲に使用したり、惑星そのものを兵器に改造したり、スペオペにも巨大な兵器はたくさんあります。

巨大生物


 巨大化した生物は、昔からSF映画などのネタになってきました。巨大生物が逃げ出して暴れたり、悪の科学者によってコントロールされる巨大生物が人々を襲ったり、色々と考えられます。

キャラクター


 主人公が大きくなって敵と戦うというのは、一昔前の子供向けTVで良く見られた光景です。ロボットに搭乗して戦うのとは、少々おもむきが違いますが、効果としては似たようなものです。
 また、敵方のキャラクターが最後に巨大化するのは、戦隊もので見られる光景です。
 PCやNPCを精神コントロールしたうえで巨大化して兵器に使うというのは、攻撃できないだけに、卑怯な手段として有効でしょう。

小さくする


 逆に、思いっきり小さくすれば、それはそれでネタになります。ただし、スペオペとは微妙に異なるシナリオになりがちです。

マイクロマシン


 超小型のレーザー砲とか、人類の科学では不可能なほど小型のジャンプ可能な宇宙船など、その技術を巡って、スパイや悪人が奪い合いをするというのが、シナリオのネタに頻出します。

微生物


 細菌などが出てくる場合、細菌兵器などのように、スパイが争奪戦をする場合が多いようです。このような場合、カプセルが割れそうで割れないという微妙なバランスでストーリーが進むことが多いでしょう。
 たまに、漏れだした細菌兵器で、次々と人々が死んでいくというパニック映画風のシナリオにも出てきます。この場合、細菌の弱点は何かというのが、ストーリーの主題になるでしょう。

キャラクター


 キャラクターを小さくしてしまうのは、スペオペとは微妙に異なるストーリーになりますが、これも面白いものです。悪の科学者の罠に陥ちて、縮小されてしまったというネタでしょうか。
 小さくなると、ドアすら開けられなくなります。机に登るのも大変ですし、ネズミやネコが恐ろしい猛獣となります。日常的な場所であればあるほど、違和感が増大してスリルを生むでしょう。

はやくする


 超高速というのが一般的です。高速エアカー・高速宇宙船など、速いマシンはスペオペに非常によく出てきます。普通よりちょっと速いくらいなら、主人公が専用にチューンアップしたマシンとして出てきます。けれども、非常識に速いマシンは、天才(天災?)科学者の発明品か、古代宇宙文明の遺産かでしょう。
 微妙に違うものとして、早くするというのもあります。動植物の成長を早くする光線や、時間の流れを早くするフィールドなどです。

遅くする


 時間の流れを遅くするフィールドや、代謝速度を遅くする薬、冷凍睡眠などは、医学的に使われるでしょう。治療場所まで連れていくときに途中で悪化しないようにできますし、治療法の無い病気の患者を治療法が見つかるまで保存できますし、単に延命のために使われるかも知れません。
 他には、相手のエンジンを止めたり遅くしたりする光線というのも、有るかも知れません。

自律型にする


 知能を持ったマシンが狂って……というシナリオは、スペオペでもしばしば見られるネタです。知能を持たせた生物が反抗するというのも、良くあります。
 この場合、何に知能を持たせるかが、シナリオのキーです。ロボットや宇宙船というのは良くあります。また、巨大な肉食生物が知能を持ったというのも恐ろしいでしょう。

自爆装置を付ける


 自爆装置は、マッド・サイエンティストなら、是非とも発明品に付けておきたいものです。にもかかわらず、破壊したい物(狂ったコンピュータなど)には、自爆装置を付けていなかったり、スイッチを非常に押し難くしたりして、困るのです。

対抗する


 何かに抵抗しがたいものに対抗するため、開発されたものです。例えば、レーザー光線を跳ね返す塗料とか、銃弾を止めてしまう重力場フィールドだとかいったものです。
 現代だと、敵のコンピュータや電子戦機器に対抗する物が流行です。スーパーウイルスとか、データ破壊砲とかです。

空を飛ぶ


 本来空を飛ばないものを無理矢理飛ばせてしまいます。例えば、飛行戦車、飛行要塞、飛行島などが、スペオペにも登場しました。
 同様に、水に潜るとか、宇宙に出られる等の特徴も使えるでしょう。水中バイクなどです。

弱点をつける


 ガジェットは、完全無欠であってはいけません。なぜなら、主人公がガジェットの力で勝ったのではしらけますし、敵のガジェットのために主人公達が負けてしまっては話にならないからです。
 そこで、ガジェットには何らかの弱点が必要になります。しかも、その弱点とは、非常に意外でありながら、とても簡単な事でなければならないのです。
 例えば、あらゆる光線を跳ね返すバリアフィールド発生装置だが銃弾には全く無効だったとか、超強力なロボットだけれど作りかけだったので防水されていなかったとか、そういった弱点です。

有名ガジェット


 上のリストの分類に当てはまらないものでも、有名なガジェットはたくさんあります。例えば、タイムマシンや物質電送機、透明ベルトや透視ゴーグルなどです。
 これらの有名ガジェットは、露骨に使うとギャグになりがちです。それでもいいのなら、存分に使いましょう。

ガジェットの限界


 上のようにして作られたガジェットには、制限があります。それは、ガジェットがガジェットのままで終わらなければならないということです。
 ガジェットだった特異な発明品が、一般的な製品になってしまうと、スペオペの世界が崩れ始めます。ですから、ガジェットは、最後の1つが破壊された時点で、2度と作れないようにしておくべきです。
 その例として、「その原理を作った科学者の死と共に失われる」「偶発的に出来たので、発明者自身も2度と作れない」「こんなものは、この世にあってはいけないんだと言って、データと共に消去する」「基礎研究の段階で、試作品は幸運にも動いたが、実用には何年もの研究が必要だ」等の解決があります。


超重力フィールド&エネルギーフィールド発生機

超重力フィールド&エネルギーフィールド発生機
 ハードカバーの書籍くらいの大きさで、超重力フィールドスイッチとエネルギーフィールドスイッチの2つのスイッチが付いています。個人用の防御システムで、ベルトあたりに引っ掛けておいて使います。
 超重力フィールドは、あらゆるAダメージ武器を無効にするバリアです。エネルギーフィールドは、あらゆるBダメージ武器を無効にするバリアです。
 ただし、2つのフィールドを同時にオンにすることはできません。もしもそうしたら、2つのフィールドの干渉によって大爆発が起こり、着用者は20ポイントのダメージを受けます。もちろん、発生機は破壊されます。
 ラストバトルあたりに、敵の親玉が持っているのに相応しいのでは無いでしょうか。

フェイスホログラフ


 顔面の周囲にホログラフ画像を発生させる簡易変装機器です。首の回りに設置します。着用者の表情に合わせて、ある程度の追従をしてくれますので、喋っているのに口をつぐんだままになるということはありません。
 けれども、着用者の顔の変化に合わせた表情変化をしてくれるだけなので、その人らしい表情にはなりません。親しい人は、なんとなく違和感を受けるでしょう。
 また、当然ホログラフですので、顔に触られれば即座にばれます。また、赤外線スコープなどで見られてもばれるでしょう。

亜空間発生機


 コンパクトな箱の形をしているが、内部に亜空間が発生していて、非常に広くなっています。ですから、小さな箱の中にたくさんの荷物を詰め込むことが出来ます。
 けれども、亜空間は非常に不安定なものですから、2D6を振って10以上だと、内部の品物はどことも分からないところへ消えてしまいます。12が出た場合は、箱の中にそれだけの荷物が現れることにより原子融合が起こって大爆発が起こります。もちろん、使用者には、そんな危険性を知りません。
 奇矯な天才科学者がたまたま発明してしまったというのに相応しいガジェットです。


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