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(C)山北篤

第14章 悪の組織と幹部

悪事リスト

 この項目では、悪の組織や悪人の仕事はどのようなものかのリストです。
 ここにリストアップしたものは、全て犯罪ですが、悪の組織といえども必ずしも悪事ばかりやっているわけではありません。ダミーの会社を作って、正規の商売をやっている場合もあることに注意しなければなりません。
 同様に、悪人も常に悪事をやっているわけではありません。それこそ、家族があって、家族には善良な人間の振りをしている場合すらあるでしょう。

宇宙海賊

 これこそ、スペオペの正統的悪の組織の仕事です。スペオペシリーズならば、一度は宇宙海賊を使っています。もちろん、主人公が宇宙海賊をやっているスペオペもありますが、それでも悪の宇宙海賊は出てきます。
 敵としては、強いけれども脳味噌の少し足りない腕力型海賊や、宇宙船戦闘のプロとも言える艦長型海賊などが典型例でしょう。

人身売買


 人間を鎖で縛って売り捌く、奴隷商人というものは、永遠に消えることは無いでしょう。悲しいことながら、これは真実です。しかし、だからこそ、それを倒そうという人々も絶えることはありません。
 脂ぎって太った金持ちの商人と、そのボディガードなどが、典型的です。奴隷にされた若い娘を毒牙にかけるいやらしい下劣漢というのも、ありがちです。

臓器故買商人

 老いた権力者や金持ちのために、人間の臓器を売買している連中です。貧しい若者を誘拐して来て、彼らの臓器を摘出して、闇で販売します。殺人者であるとともに、最低のモラルすら持たない人間失格の奴等です。
 自分の利益のためなら、仲間を売るのも平気な卑劣漢というのが典型的です。しかし、一見するとバイオ工場のように清潔な環境で、冷静に臓器を摘出保存する冷血の医者というのも、無気味さを増すでしょう。

麻薬商人

 麻薬と言うものは、大きな魅力を持っています。だからこそ、禁止され、健康に悪いことを宣伝されているにもかかわらず使用するものが絶えません。麻薬の愛用者というのは、上流階級にも多く、彼らのに麻薬を売る密売人は、上流階級に出入りしてもおかしくない上等な外見と上品な物腰をしています。
 下層階級のための汚い密売人と、上流階級のための上品な密売人、それに裏で麻薬密売を組織しているシンジケートというのが、典型的な麻薬組織です。

賭博

 賭博は、公認されている世界も、禁止されている世界もあります。禁止されている世界では当然の事、公認されている世界でもより高額でギャンブル性の高い賭けを行なうために、闇賭博は盛んに行われているでしょう。
 賭博というのは、大抵そこを地盤とするヤクザ(マフィアでもなんでもいいが)組織の主要な収入源になっています。ですから、その土地を仕切っている連中を設定すれば、それが賭博組織となるでしょう。

恐喝

 恐喝というのは、他人の弱点を握り、その秘密を守る代償に金をせびり取る犯罪です。ただ、恐喝は、通常は個人ないしは数人で行われる犯罪で、恐喝組織というものが存在することは滅多にありません。個人で恐喝者をやっている者は、貧相な小男の卑劣漢というのが、ありがちなパターンです。
 ただし、既存の犯罪組織が、権力者や警官の弱みを握って、それを自分の仕事のために使うというのは、ありがちな話です。この場合は、恐喝者は金を請求するのではなく、便宜(情報漏洩など)を求めてくることが多いでしょう。逆に、恐喝者の方が金をくれることすら有り得ます。このばあい、恐喝するのは、組織のトップであって、一見紳士的な振る舞いのできる大物です。

強盗

 強盗は、あまり割の合う犯罪ではありません。なぜなら、余りにも公然とした犯罪で、しかも犯人は姿を現さなければならないからです。これでは、逮捕率が高くなってしまい、儲けにならないのです。そのため、強盗は、1人ないしは少数の犯罪者が個人的に行なう犯罪です。よほどの事が無い限り、れっきとした犯罪組織が手を出すべきものではありません。
 強盗をするのは、多くの場合、智慧の足りない粗暴犯罪者です。

テロ

 テロは、組織犯罪とは微妙に違うものです。多くのテロリストは、自分の信念に従って、破壊活動を行ないます。その意味で、テロは利益を目的としないという意味で、珍しい犯罪です。
 テロ組織は、利益のためではなく、信念によって結び付いたグループであり、それゆえ、他の犯罪組織と違った長所短所を持っています。長所としては、利益が無くとも結び付いているという点です。つまり、金銭による買収が効きにくいでしょう。逆に、信念が揺らぐと、テロ組織は脆いものです。わずかな思想の差のために、仲間内で殺し合いが起こる可能性もあるのです。

殺人・暗殺

 殺人を生業としている組織は、多くの冒険小説などで敵役として登場します。我々のプレイするスペオペヒーローズでも、きっと暗殺を請け負う組織(または個人)が存在するでしょう。
 殺人請負組織としては、アサシン教団が最も有名です(実際は、アサシン教団は請負の暗殺などはしなかったのですが)。そこで、そのイメージを借用して、暗殺請負組織を作るのが楽です。プレイヤーにも即座に分かりますし、いかにも敵らしい敵です。
 もう一つの、殺人請負組織として、我々のイメージにあるのが、必殺シリーズです。こちらは、恨みを呑んで死んだ弱者の怨念を晴らしてくれるもので、悪(ワル)ではありますが、ヒーローとしても、見逃してやりたい組織です。逆に、それだけに儲けに走って堕落したグループが有ったら、それにたいする怒りは大きくなるでしょう。
 次に、個人としての殺人請負人です。これは、なんといっても巨大な先例があります。それは『ゴルゴ13』です。このマンガを読めば、殺人請負人のほとんどのパターンは登場します。
 マシーンのようなプロである主人公を始めとして、サディストの殺し屋や、狩猟気分のガンマニア、スパイ組織の非合法工作員などです。

詐欺

 詐欺にも、組織的詐欺と、個人的詐欺があります。ただし、組織的詐欺といっても、巨大な詐欺師組織というものは、まず存在しません。大きくて、2~30人の詐欺師グループでしょう。
 組織的詐欺の例としては、有名な無限連鎖講(ネズミ講)があります。これは、1人ではできません。少なくとも数人のメンバーが必要です。ただし、これは明らかな犯罪なので、警察にばれるまでが勝負です。ばれる直前にさっと逃げ出す事が、最も重要になります。
 個人的詐欺には、取り込み詐欺や、寸借詐欺などがあります。この場合でも、相棒が1人くらい居て、バックアップをしていることが多いでしょう。

売春組織

 売春は、最古の職業とも言われています。ですから、どんな星に行っても、売春婦や売春組織は存在するでしょう。
 組織的売春というのは、売春組織があって、売春婦を抱えておいて、その水揚げをピンはねする組織です。多くの場合、地元のヤクザ(マフィアでもいいが)が仕切っています。主人公の敵役として登場するなら、売春婦を監禁したり、薬(もちろん麻薬など)で縛り付けて、死ぬまで働かせる阿漕な組織を登場させるといいでしょう。
 売春婦と言うものは、多くの冒険ものストーリーでは、蓮っ葉なすれっからしの姐ちゃんで、主人公を裏切ることもありますが、最後には人の良いところを見せてくれるという役柄が与えられています。
 主人公に惚れて助けようとして、主人公を庇って死んでしまう。大事な情報を知らないうちに握ってしまい、口封じに殺される。等のような、哀れだが同情を引く退場シーンになることが多いようです。

非合法改造

 人体改造が可能な世界でも、義手などに武器を仕込むのは非合法であることが多いでしょう。しかし、だからこそ、そのような非合法改造は、犯罪組織などの資金元になります。
 人体改造組織としては、犯罪者のために、見つからないようにした武器入りの義手や義眼などを埋めこんでくれる組織です。このような組織では、量産型の埋め込み武器を用意してあって、犯罪者は金を払って、手術を受けます。そのような犯罪者の起こした凶悪犯罪が巷に起こるようになって、主人公はそれを追ううちに、改造組織の情報を得るというのが、ストーリーの常道でしょう。
 個人で非合法人体改造を行なっている場合、そいつはマッドサイエンティストでしょう。この場合、改造は非常に特殊な特徴(例えば自爆装置とか、非常時の脱出ロケットとか)を持っていることが多く、マニアックな改造であることが分かります。

クローン・人造人間売買

 クローンが合法か非合法かという問題です。銀河連邦の多くの星では、クローンは非合法で、臓器や四肢などのクローン増殖による移植だけが、医師の厳格な管理の元で合法となっています。
 クローンによって、ある人間とそっくりな人間を作り上げることも理論的には可能ですが、現在のところ、記憶や思考能力をコピーすることが出来ませんので、同じ能力を持った人間を量産するというわけにはいきません。(マッドサイエンティストが作りそうですが)
 しかし、脳を除けば、クローンでほぼ再生できるということです。そのために、ドールと呼ばれる、SEX専用のクローンが存在します。有名なアイドルスターなどの細胞を入手し、それをクローン増殖して、SEX時の反応だけを脳に焼き付けて、金持ち連中に密売するという商売があります。当然違法ですが、金持ち(=権力者)相手の商売なので、なかなか摘発できません。

洗脳

 仕事ではありませんが、悪の組織がしばしば行なう悪行です。もちろん、洗脳するのはPCの味方です。できたらPCのうちの誰かならベストでしょう。当然のことながら、悪人が「ふっふっふ、撃てるものなら撃ってみろ」とうそぶくわけです。
 また、政府要人などの洗脳によって、国家を支配しようというプロジェクトも面白いでしょう。これならば、れっきとした悪の組織の仕事として認められます。

幹部グループのパターン

1-1

 首領にぬかずく、組織の大幹部。基本的には、組織は大幹部によって運営されます。首領は、大幹部にだけ指令を行ないます。大幹部の下に、数人の幹部の居る「1-1-n」パターンもあります。
 このパターンには、幾つかのバリエーションがあります。
 まず、正体不明の首領と、それを恐れる無能な大幹部パターンです。典型的なのは、スペオペではありませんが、アニメの『科学忍者隊ガッチャマン』でしょう。
 次に、首領は大幹部が作った幻の存在で、真の首領は大幹部自身であるというものです。部下の反抗を恐れて、幻の首領を仕立て上げたのです。
 逆に、真の首領は誰にも知られておらず、組織内部においても、大幹部が首領であると信じられている場合もあります。このパターンは、首領を倒したと思ったが実は黒幕がというシナリオの引きが出来るので便利です。

1-n

 首領の下に複数の幹部が居るパターンです。これらは、幾つかの視点で分類できます。
 最初の視点は、n人の相互関係です。これは2つ考えられます。
 1つは、n人が対立していない場合があります。もちろん、それぞれの功名争いなどはあるが、足の引っ張り合いなどの醜い行為は行われていません。組織としては健全な形です。
 逆に、n人が対立していて、自分の功名よりも他人の足を引っ張ることに熱心であるような組織は、危機にあると言っても過言ではありません。この、どちらのパターンを取るかは、ストーリーの都合で決められます。
 次の視点は、n人の幹部の分業体制です。
 まず、事業部制があります。それぞれの幹部の職種が完全に分割されています。ある幹部は海賊を率い、ある幹部は麻薬密売を司ります。このようなシステムの場合、事業部ごとのライバル意識はあるが、深刻なものではありません。ただし、花形職種と日影の職種が存在することから、地味な職種のメンバーの士気が下がる可能性があります。
 もう一つは、並列方式です。それぞれの幹部は、同じ仕事をしていて、それぞれの才覚で結果の差が出るというものです。こちらは、血で血を洗う内部抗争が起きる可能性もあります。この場合でも、支社制(それぞれの幹部の管轄区域を分ける)を取れば、それほど問題は起きないでしょう。

 数人の人間が、合議制で組織を運営しています。
 このような組織が長続きすることは、まずありません。なぜなら、誰しもトップを狙うものですから、首領グループの中で、物凄い争いが行われて、互いを粛清しあうことになり、生き残った者が、トップの座を掴むことになるでしょう。
 その中で、死んだ首領の側近などが、生き残った首領を暗殺してしまい、首領が居なくなって崩壊してしまうかもしれません。

複数幹部グループのネーミングに使える単語

 この表は、幹部グループがコードネームなどでお互いを呼びあう場合などに使うと、いかにもそれらしい雰囲気の出る単語をピックアップしています。
 例えば、悪の幹部が4人出た場合、それらの集合名詞として「四天王」と呼んだほうが、かっこいいでしょう。
 また、悪の組織で、互いに顔を隠して会合を開いているシーンなどで、「ナンバー1」「何かねナンバー4」と呼びあうのも面白いのですが、それぞれにコードネームを付けていると、個性が浮かび上がります。つまり、「ラファエル」「何かねザドキエル」というわけです。

汎用

 n人衆

 コンビ
 双璧
 左右
 陰陽
 両儀(陽儀・陰儀)
 プラス・マイナス

 トリオ
 三位一体(神・キリスト・聖霊)

 カルテット
 トランプ(スペード・ハート・ダイヤ・クラブ)
 四天王(持国天・広目天・増長天・多聞天)
 東西南北
 四聖獣(玄武・青竜・朱雀・白虎)
 4大福音書(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ)(人間・獅子・雄牛・鷲)
 四大精霊(水地火風)
 四象(太陽・少陰・少陽・太陰)

 クインテット
 5行(火水木金土)

 7賢人(クレオプロス・ペリヤンドロス・ピッタコス・ビアス・ターレス・ケイロン・ソロン)  竹林の七賢人(別記)
 七福神(大黒天・恵比寿・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋)
 プレアデスの娘(ターユゲテー・エレクトラ・アルキュオネ・ケライノー・マイア・メロペー・アステロペー)
 7人の小人(ドック・ドピイ・ハッピイ・グランピー・スリーピイ・スニィージイ・パッシェフル)
 一週間(日月火水木金土)
 以下は一週間に対応するもののリストで、順序も合わせてある
 天使(ラファエル・ガブリエル・カマエル・ミカエル・ザドキエル・ハミエル・ザブキエル)
 金属(黄金・銀・鉄・水銀・錫・銅・鉛)
 宝石(ルビー・水晶・ダイアモンド・瑪瑙・サファイア・エメラルド・トルコ石)
 植物(ひまわり・はす・こしょう・きじむしろ・杉・ぎんばいか・まんだらげ)
 動物(ライオン・ネコ・狼・猿・雄鹿・山羊・もぐら)
 鳥(白鳥・ふくろう・はげ鷹・こおのとり・鷲・鳩・たげり)
 属性(勇敢・社交・犠牲・狡猾・嗅覚・性・夜行)
 頭部(右目・左目・右鼻孔・口・左耳・左鼻孔・右耳)
 肉体(心臓・左足・右手・左手・頭・陰部・右足)
 色(金色・白・赤・淡色・青・緑・黒)

 八卦(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤)
 八犬士(仁・義・礼・智・・信・孝・悌)

12

 12宮(白羊宮(Aries)・金牛宮(Taurus)・双子宮(Gemini)・巨蟹宮(Cancer)・獅子宮(Leo)・処女宮(Virgo)・天秤宮(Libra)・天蝎宮(Scorpio)・人馬宮(Sagittarius)・磨羯宮(Capricorn)・宝瓶宮(Aquarius)・双魚宮(Pisces))
 十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)
 12使徒(ペテロ・アンデレ・巡礼のヤコブ・ヨハネ・ピリポ・バルトロマイ・トマス・マタイ・棍棒のヤコブ・タダイ・シモン・ユダ〔後に、代わりにマッテヤ〕)

13

 トランプ(エース・2・3・4・5・6・7・8・9・10・ジャック・クイーン・キング)

22

 タロット(吟遊詩人・女司祭・女帝・皇帝・恋人・戦車・正義・隠者・運命の輪・力・絞首刑の男・死・節制・悪魔・塔・星・月・太陽・審判・世界・愚者)


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