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(C)山北篤

第6章 その他のルール

コンピュータ

 スペオペヒーローズでは、コンピュータは人間の補助にしか使えません。確かに、人並の能力は持っていますので、人間の代理(砲塔に人が居ない場合に、代わりに撃たせるなど)もさせることができます。けれども、コンピュータは、ヒーローポイントを使えませんので、真の危機には役に立たないでしょう。PCが、いつもコンピュータに頼っているようではスペオペらしくありません。あくまでも主人公は人間なのです。
 ハンディコンピュータや、小型の設置型コンピュータは、能力値2でスキル1レベルと考えます。人間で言えば、「人並」レベルです。これでも、人間の設問に、「人並」レベルの解答を与えてくれ、宇宙船を「人並」に飛ばしてくれるのですから、結構凄い能力です。
 超大型コンピュータのように、大きなパワーを持ったコンピュータは、能力値2で、スキル2レベルと考えます。人間で言うと、「ヒーローの標準」レベルの能力です。ただし、このような大型コンピュータを、PCが所持することは無いでしょう。
 シナリオによっては、古代宇宙人の遺産である生体宇宙船などのように、どう考えても人間以上の能力を持つコンピュータ(ないしはその類似品)が無いわけではありません。けれども、それらは、あくまでも例外で、スペシャルNPCとして扱うべきです。

自立型ロボット

 スペオペヒーローズには、主人公のマスコットとなるロボットが登場することも多くあります。主人公が出かけている間の宇宙船の留守番などをしてくれて、無線で呼んだら運んできてくれる程度のロボットです。
 これらのロボットがあると、主人公キャラクターが宇宙船の留守番をしなくて済んだり、主人公キャラクターの数が少ないときの戦力の足しになったりするので、結構便利です。留守番程度なら、マスコットロボットで十分でしょう。
 当然のことですが、(PCでない)ロボットに、《運》はありませんから、ヒーローポイントは使えません。ですから、真に困難な仕事をさせた場合、成功は期待できません。
 シナリオによっては、古代宇宙人の遺産であるスーパーロボットなども登場しますが、それらはスペシャルNPCとして扱うべきです。

応急手当

 〈医学〉スキルを持つものは、怪我をした人間を応急手当することが出来ます。《器用》+〈医学〉ロールを行って成功すれば、怪我を1レベル減らすことが出来ます。
 ただし、これは、怪我を受けた直後にのみ有効です。また、これらの処置を行うのに、それぞれ10分かかります。応急手当を行なうには、最低でも医療キットを持っていないといけません。もしも、病院などで応急手当を行なう場合、行動に+1~+3ほどのボーナスが付きます。
 死亡状態にも応急手当の目標値があるのは、死んだと思われても、実は仮死状態で蘇生する可能性があるからです。ただし、死亡を超えてダメージレベルを受けたとき(重傷で、3レベルダメージを受けたなど)は、蘇生しません。

  怪我 目標値
  軽傷  5
  重傷  7
  瀕死  9
  死亡 11

治療

 怪我をしたキャラクターは、治療を受けると治ります。ただし、医療設備の有るところで治療を受けている場合と、そうでない場合では、治癒速度は変わります。
 下の表は、怪我のランクが1レベル下がるのに必要な時間を表わしています。瀕死の人間が入院していたとすると、7日で重傷に戻り、3日で軽傷に戻り、1日で無傷に戻ります。つまり、瀕死の人間が完全回復するには、入院していて11日かかる訳です。
 下の表で、「通院」というのは、病院に行かなくても、キャラクターの中で〈医学〉スキルを持った者に治療を受けて軽作業程度に留めている場合も含めます。「放置」というのは、その怪我をしたまま戦闘したり走ったりして無茶をしている場合で、治療を受けていても無茶をすれば「放置」とみなします。
 また、通常の場合、瀕死の人間を退院させてくれる病院はありません。無理矢理退院するには、医者を脅すか、逃げ出すかしなければならないでしょう。

  怪我  入院  通院  放置
  軽傷  1日  1日  3日
  重傷  3日  7日 2週間
  瀕死  7日 2週間 1ヶ月

修理

 各種の〈工学〉系スキルを持つものは、ダメージを受けた機材を修理することが出来ます。《器用》+〈工学〉ロールを行って成功すれば、無傷の状態に戻すことが出来ます。
 ただし、これは修理設備と資材がある場合のみ有効です。また、最低でも2のサイズ乗時間の作業を必要とします。つまり、サイズ2の機材を修理するには、2の2乗で4時間かかるわけです。また、これは、軽度ダメージの場合で、重度なら2倍、故障なら4倍、破壊なら8倍の時間を必要とします。
 工場などで修理する場合、その工場の設備の高度さに応じて、+1~+3のボーナスがあり、修理時間が半分で済みます。

 修理に必要な費用は、自分で修理するのか、それとも修理を依頼するのかによって費用が変わります。元の価格の平方根を取って、その何倍かかるかで決めます。壊れ方によっては、修理費用が元の価格以上になることもあります。このような場合、記念の品等で無い限り、新しいのを買って、壊れたものを捨てることになるでしょう。
 例えば、10000Crの品物が中破したのを自力で修理します。この場合、修理の難易度は7です。費用は10000の平方根が100ですから、その10倍となって、1000Crかかります。

  ダメージ 目標値  修理費用(自力) 修理費用(依頼)
   小破   5       1       10
   中破   7      10      100
   大破   9     100     1000
   破壊  11    1000    10000

発明

 スペオペにおいては、科学者や技術者が新奇な発明品を生み出して悪と戦うというのは、しばしば見られる光景です。そこで、科学者や技術者キャラクターは、新たな発明品を作ることができるものとします。発明ができるのは、以下のアーキタイプです。

発明できるアーキタイプ

 ドクター、ブレイン、ハッカー、マッド・サイエンティスト、テッカー、エンジニア、メカニック、クラフトマン、クルー、マッド・エンジニア、女性ドクター、女性メカニック

発明品

 ところで、スペオペでは、不思議なことに発明した品物が壊れた場合、同じ物が作られることは滅多にありません。それどころか、次の冒険では、そんなものが有ったことを奇麗に忘れていることも良くあります。
 そこで、スペオペヒーローズの発明ルールでは、PCは、同じ発明品を2度作ることは出来ないということにします。つまり、偶然に素晴らしい発明が出来たものの、同じ物を2度と作れないというものです。壊れてしまったら、それでお終いです。
 また、このような発明品は、常に1つしか存在できないものとします。つまり、ある発明品が存在する場合、新たな発明はできません。これは、発明家というのは、自分の発明品に満足している間は、新たな発明をしようなどという気分にならないのだとでも解釈しておいてください。もちろん、以前の発明が気に入らなくなったので、それを捨ててしまって、新たな発明に取り掛かることは可能です。つまり、壊れるか捨てるかすれば、新たに発明が出来る訳です。
 発明家は、シナリオの始まる前までに、時間をかけて、発明品を作っておくことが出来ます。ただし、シナリオがいったん始まってしまえば、新たな発明品を作るには、1日~1週間ほどは必要です。ちょっとした改造なら、10分程度でできることもあるので、マスターの裁量で決定してください。

 ゲームマスターは、ヒーローポイントで「命中回避」を行なった場合、基本的にその発明品を真っ先に破壊します。また、発明品は、オプションルールの「愛用アイテム」に出来ないものとします。
 発明の難度は、普通の品物よりちょっと有利(+1程度)なら「少し難しい」、以後、有利さが+1されるごとに、難易度が+2されると考えてください。
 それ以外の発明品も、マスターが適当に難易度を考えて下さい。ただし、あまりにもPCを有利にしすぎる発明品は、存在を認めなくても構いません。
 もしも、マスターの能力に余裕があるなら、難易度を教えないでロールさせると面白いかもしれません。もしもロールが失敗だったら、一見まともに出来たように見えるのだけれど、実際に使ってみると爆発したり思いもよらない副作用があったりする代物が出来上がるのです。ちょっとしたギャグシーンになって面白いでしょう。

オリジナルキャラクター作成

 スペオペヒーローズには、多数のアーキタイプを用意して有るので、ほとんどの場合、アーキタイプを選択するだけで十分なキャラクターのバラエティがあります。けれども、どうしても自分のキャラクターのイメージに合ったアーキタイプが無い場合、完全にオリジナルのキャラクターを作ることが出来ます。

キャラクター作成ポイント

 キャラクターを創る場合、プレイヤーは、最初に270ポイントのキャラクター作成ポイントを得ます。このポイントを配分して、キャラクターを作成します。
 ちなみに、アーキタイプは280ポイントで作成されていますので、オリジナルで作成する場合よりも若干有利に作られています。

能力値

 6つの能力値がありますが、《サイズ》とそれ以外では、ルールが異なります。
 《サイズ》は、基本的に1です。なぜなら、身長1m~2mの者は、《サイズ》1だからです。身長2mを超える大柄な人間をプレイしたいのなら、2にしても構いません。また、身長1m以下の幼児は、《サイズ》0となるでしょう。《サイズ》を設定する場合、幾つであっても、キャラクター作成ポイントを一切必要としません。自由に決めて構いません。
 その他の能力値は、以下の表で決定します。《敏捷》と《運》以外の能力値は、端数にしても無駄なので、端数の能力値を設定するのは止めたほうがいいでしょう。
   能力値  必要ポイント  能力値  必要ポイント
    1     10    1.5    23
    2     40    2.5    63
    3     90    3.5   123
    4    160    4.5   203

      望みの能力値^2 × 10 = 必要CP

スキル

 スキルは、通常のキャラクター作成と同様です。残ったキャラクター作成ポイントを、スキルポイントと考えて、スキルを選んでください。
 ただし、第1章のスキル取得時のルールは、全て適用されますから、キャラクター作成時は、ベース能力値の値までしかレベルを設定できません。つまり、《知性》が2の人間は、〈物理学〉は2レベルまでしか取れません。
   スキルレベル 必要ポイント
      1      1
      2      4
      3      9
      4     16

        望みのスキルレベル^2 = 必要CP


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