(C)hosoe hiromi 細江ひろみ
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エンジョイ! アウト オブ テーブル
サークルをつくろう

 前略みなさま、またまた講座のお時間です。ごぶさたの間、あなたのテーブルは斬新で感動的なドラマに恵まれていましたでしょうか?

サークルの目的をはっきり決めよう


 コンベンションには恵まれたけれども、サークルには恵まれていない? ならば、自分でつくってしまおうじゃあ、ありませんか。
 どんなサークルにしようかなッ! たとえば、気のあった友だちだけを集めたサークル、ものすごい大人数のサークル、自分のお気に入りのRPGだけを専門にプレイするサークル。みんなで自作RPGをデザインすることを目標としたサークル……。
 あぁッ! どこまでも夢は膨らむッ!

さあ、仲間を集めよう!


 自分自身がどんなサークルをつくりたいのか、しっかりイメージを固めたら、まず最初に仲間をあつめなくっちゃ。

●友だちを集めよう

 これにはいくつかのタイプがある。
 まずは、すでに友だちとRPGをプレイしていて、「RPGはおもしろいぜ」とウワサがウワサを呼んで、友だちの友だちはみな友だちだ式に人数が膨れあがって、ついにはサークルにしちゃおうッ! っていうケース……。これは呼びかたが変わるだけだから、心配はいらないわよね。
 おつぎは、自分の友だちをRPGに引きずりこんで、サークルをつくろうっていうケース。「RPGっておもしろいなぁ」って友だちに思わせることができれば、あとは楽勝。おもしろい遊びを紹介してくれたあなたの提案に賛成してるれるはず。これは「“Rune Quest”だけをプレイするサークル」をつくろうとする時にも応用できるかもしれない。だって、友だちに“Rune Quest”しか教えなければいいんだもん(あァ、極道)。
 逆にコンベションで知り合った友だちとちょくちょく遊べるようにサークルにしようっていうケース。こっちはそういった友だちに片っ端から声をかけて、メンバーを集めていくことになるわね。

 とにかく、自分が中心になって声を掛けていくことが基本になるわよね。

 ヴィエ「これから話すのはわたしたちの体験談です」
 Halちゃん「ねぇねぇ、友だちがいない場合は、どうしたらいいのぉ?」
 ヴィエ「ちょっとまって、全然いないの? まるっきり? ひとりも?」
 Halちゃん「ちがうよぉ、RPGしない友だちなら、いっぱいいるもーん」

●知らない人に呼びかけよう

 「“Role Master”を極めた人だけのサークル」をつくろうとか、RPGを趣味にしている友人が少なくってパターンに陥ったりプレイメンバーが不足したりしている時は、新メンバーを広く募集してみましょう。
 どうやって募集するか? もちろん、「RPGマガジン」誌上にある『冒険者求む(クラブ案内)』などを利用するのが、一番簡単で確実よね。
 その時大事なことは、「どんなサークルか」を単刀直入にわかりやすく書いておくこと。もしかするとそのせいで希望者がないかもしれない。でも不明瞭な募集は希望者とのトラブルのもと。
 希望者が少なければ、繰り返し何度も募集すればいいだけだし、応募が多すぎたら、自分のサークルの規模のことを考えて、心を鬼にしてお断わりしなくっちゃ、サークルの維持はできないわね。

 ヴィエ「男女構成比が半々のサークルをつくろうと思って、『男性メンバーを制限しています』って書いて募集したら、山ほど男性から応募がきたの。しかたないから大半をお断わりしたら、当日こない男性が続出して、結局女性ばかりのサークルになっちゃいました」
 Halちゃん「世の中うまくいかないのねぇ」

●女性は、こんなサークルを選ぶ

 実際のところ、女性RPGファンが男性より少ないことは確かみたいだけれども、それは女性にとって入会しやすくって楽しめるサークルが少ないせいかも。
 公募ではほとんど女性は集まらないけれども、女性のRPGファンの友だちに声を掛けると、そこからイモづる式に集まることがあります。
 女性ばかりのサークルもいいけど、男性ばかりのサークルと同じように満点にはなりえないですよ。
 私自身が女性としてサークルを選ぶなら、このへんがポイント。
 ・中心メンバーが女性。
 ・帰宅時間が遅くならない。
 ・ガサツではない。
 最後のガサツっていうのは、メンバーがフケをとばすとか、ゴミをちらかすとか、女性会員に恋人役や母親役を求めるような無神経さのことで、ガサツさのあるサークルは「女性会員は入会するけど、しばらくすると来なくなってしまう」という症状が出るでしょう。

 Halちゃん「私が女だっていうだけで、勝手にヒロインをプレイするものだと決めてしまっている男の人って、嫌になっちゃうほど多いのよぉ」
 ヴィエ「本当に多いし、嫌ですよね。谷川先生に相談してみましょうか」

 どこでプレイするのかな?

 サークルのメンバーが集まったなら、メンバーが集まる場所をとらなくっちゃ。それには、何人くらい集まるのか? が、一番重要。
 数人のサークルと、50人近くメンバーがいるサークルでは、必要な場所だってまるっきり違う。
 人が多いほど広くなくっちゃいけない。大声を出してもいい場所じゃなくっちゃいけない。それに、その場所がある程度の時間連続して使えないんなら、RPGはプレイできない。
 それから喉は潤したいし、場合によっては食事もしたい。メンバーの住所が散らばっているなら、会場の場所も重要になってくる。費用だって、会場を確保しておくための手間だって、考えないわけにはいかない。

●ウチへおいでよ

 人数が少ないサークルならば、メンバーの誰かの家でRPGができる。これなら費用はかからないし、お茶くらいは提供してもらえるだろう。アパートにひとり住まいならば、その人の家族に迷惑を掛けることもなくなり、時間的制約も(ほとんど)ない。ただし、近所迷惑にならないよう、十分な注意が必要です。
 場所の提供者に迷惑がかからないように、当日飲み喰いする物については他のメンバーが費用を負担するとか、後かたづけはみんなでやるとか、そういった心くばりがあると長続きするみたい。

 ヴィエ「じゃ、そろそろ私はご飯を炊かなくっちゃいけないから、部屋の片付けはたのむわねぇ」
 Halちゃん「終わりの片付けはいいけど、始めるために1時間も全力で片付けしなきゃいけないのは、ちょっとやーよねぇ」
 ヴィエ「こらァ、こんなタイミングでそんなこと言うと、私のことみたいじゃない」
 Halちゃん「あとは、ヴィエちゃんの家がやたら交通が不便なところにあるっていうのが、どうにかなんないかなぁ」
 ヴィエ「バスが1時間に3本しかないものね」

●喫茶店

 喫茶店、ファーストフード、ファミリーレストランには、もちろん有料だけど飲物も食べ物もあるし、割と集まりやすい場所にあるけど……。
 テーブルがちょっと狭いとか、なにか注文しなければいけないっていう点が不便だけど……。
 そーゆーのとは別に、本来「RPGをする場所じゃない!」っていうことは、胸に刻んでおいたほうがいい。
 確かに、都市部には打ち合わせをするための喫茶店があって、そこだと料金が高いかわりに、長居が許される。それでも、周りの人が迷惑するほど騒ぐことが許されるわけではない。
 つまり、喫茶店ではRPGをするな、ということ。

●貸し会場

 都市部の大きな喫茶店には、貸し部屋が付属している店があります。飲物は注文すれば持ってきてくれますし、立地条件もよく、大声もOK、空調もきいていて、後で片付けもしてくれる。
 まさに理想的な環境ですが、ひとつ欠点があります。それは、気軽に借りられるほど場所代が安くないということです。

 Halちゃん「そんなに高いの?」
 ヴィエ「う~ん、メンバー全員がディズ○ーランドで1日遊ぶほどの出費を覚悟すれば大丈夫」
 Halちゃん「簡単に借りられるの?」
 ヴィエ「お金さえ払えばたいていはね」

●公共施設

 RPGのプレイするのがむずかしい場合もあるので、事前に規則や制限その他もろもろの調査が必要。地域住民が使うのか? どんな事に使うのか? そういったことまでこと細かく聞かれることもあるでしょう。使用のマナーやルールについても、とてもきびしい。
 それでも、安さと広さは魅力的で、立地条件のいい場所ともなると、抽選で当たらなければ使えないなんてことも多い。

 Halちゃん「あー、朝早くから公民館の前にいっぱい人が並んでいるー」
 ヴィエ「あれが、公民館の会議室を借りようっていう人たちよ。この地区では2カ月後の月分の予約を受け付けるの。受付開始から約30分で全部うまっちゃって、しかも抽選なのよ」
 Halちゃん「じゃあ、今日申し込んで当たっても使えるのは2カ月も先なのねー」
 ヴィエ「さて、私も並ばなくちゃ。サークル活動を1回もできてないの、3回目の申込だよぉ」

 もっと充実したサークルへ!

●メンバーを増やそう!

 人数が多ければ多いほうがいい! ってことはないけれども、なんかの理由でひとり、ふたりとメンバーは減ってしまうことは避けられない。
 長く続けるつもりならば、減った人数と同じだけの新しいメンバーを受け入れられるように手を打っておく必要があるよ。常に何人かのお客さんを呼ぶとかね。

●プレイを記録しよう!

 プレイをやりっぱなしにするよりも、今日は誰がマスターでどのRPGを使ったどんなストーリーだったのかとか、プレイの感想とかを一言でいいから記録しておくだけでも、ずいぶん違ってくる。
 あとでそれを会報にまとめれば、おもしろいし自分のサークルではどんなことをやっているかのいい紹介になると思う。

●マンネリ打破!

 つい、サークルがマンネリに陥ってしまったら、ちょっと毛色のかわったことをやってみよう。たとえば、サークルみんなでイベントを主催するとか、他のサークルと交流会を行なうとか。
 どうしてもマンネリが打破できなければ、一度サークルをつぶしてしまって、1からやりなおすというのも手ではある。
 ようは、向上心。これがあなたをつき動かしているかぎり、サークルは日々成長を続けるのである。