対戦型耽美RPG
「学園薔薇ダイス」
女性専用BL TRPGです。これ自体は全年齢向け(いいのかよ)ですが、プレイヤー次第でえらいことになりますので、ご注意ください。
収録されたRPG福袋の対象読者はほとんど男。作るのに協力してくれた連中も全部男。というか、これが出たころは、TRPGは圧倒的に男社会(今でもか?)。今でもネタゲー、罰ゲー扱いの、名前だけ知られたゲームとなってしまった。(というか福袋そのものがネタゲー集。)
しかし実際には、当時から21世紀に入っても、細々とだけれど女性にプレイされ続けているらしいのは、ありがたいこと。(というか、男性が本当にプレイした、っていう話は、聞いたことがない。聞きたくもないが。)
システム自体は、かなり気に入っている。
このTRPGシステムは、RPG福袋(HJ社 絶版)に収録されたものを、加筆修正したものです。著作権は放棄されておりません。
「学園薔薇ダイス」というタイトルは、ツクダホビーから販売されていたラブコメRPG「学園ぱらだいす」(ゲームデザイン:ORG)のもじりです。
タイトルの使用を許可してくださったORGに、感謝いたします。
・利用したいが絶版で入手できないという声があり、著作者が公開いたしました。
・必要な部分をプリントアウトし、プレイにご利用ください。
・それぞれが作成した二次著作物(ルールの解説、リファレンス、改造や追加、サプリメント、リプレイ、キャラクターシート等)は、二次著作物であることを明記してくだされば、インターネット上で自由に発表してくださってかまいません。が、それぞれの責任でなさってください。
・このページの内容の転載は不可とさせていただきます。
・リンクはご自由に。
ルールセクション
対象
人数:3~∞まで
対象精神年齢:16歳以上
対象性別:女性
用意するもの
ダイス ひとり2個
コイン ひとり7枚~
マスター ひとり
キャラクターシート ひとり1枚
はじめに
このRPGシステムは、全寮制男子校の……、あるいは男性アニメキャラクターによる……、またはオリジナルキャラクターの男同士の、友情を越えた微妙な人間関係のバランスを楽しむことを目的に、デザインされています。そして、耽美ファンの女性が同人誌即売会前日のホテルに集まった時にプレイするということを前提にしています。
それぞれお気に入りの男性キャラクターになりきって、キャラクターのセリフや行動を決めてください。
つまり、学園薔薇ダイスは、耽美ストーリーを耽美ファンが合作するためのRPGなのです。
プレイ上の注意
耽美ファンが集まっている即売会前後の合宿でプレイしてください。間違ってもRPGコンベションや喫茶店等でプレイしてはいけません。
禁断の世界にはまりこむかもしれませんので、男性はプレイしてはいけません。とくに美形以外の男性のプレイは、まわりに迷惑をかけるのでやめましょう。
マスターの役割
このRPGには日常的な行動や、通常の戦闘を判定するルールがありません。ルールで判定できる、そしてするべきものは、耽美を香わせるシーンについてのみなのです。それ以外の行動やシーンは、耽美シーンを盛り上げるための過程にすぎません。ですから、それぞれが自分のキャラクターを演出して、より盛り上がる耽美を実現するためなら、たとえどんな行動を成功させても、失敗させてもいいのです。
ですから、キャラクターの能力値も、耽美する能力を示すものしかありません。それ以外は、美形なだけで何の取り得もないキャラクターでも、美形の超能力者でも、かまいません。
とはいえ、それぞれが自分勝手にキャラクター設定や、成功や失敗を決めていては、いくら趣味が似ていてもストーリーはまとまりはしないでしょう。そこで必要になってくるのが、マスターです。
このRPGにおいてマスターとは「結果を決める人」というだけではなく「耽美の読者」であり、同時に「プレイで生みだされた耽美ストーリーをもとに、小説やマンガを作成する人」を意味します。
もともとRPGにおけるロールプレイとはコミニケーションであり、他の人に理解してもらえるようにプレイすることが必要です。学園薔薇ダイスにおいても、一人耽美で悦に入っても、他の人から見たら醜悪にしか見えないのでは、耽美とは呼べません。マスターは唯一その場にいる読者として耽美を評価し、同時により耽美な世界を構築するための耽美監督としてイメージを決定する役割を持っているのです。
他システムとの併用!
もともとRPGファンの集まりで、自分たちの持ちキャラを使って、学園薔薇ダイスをプレイしてみたいと思いませんか?
複雑なシステムに馴れてしまって、学園薔薇ダイスではものたりないと思いませんか?
そんな時は、他のRPGシステムと併用してプレイしてください。使用方は簡単。耽美に関係する行動についてのみ、学園薔薇ダイスのシステムで判定すればいいのです。
この方法により、線の細いキャラクターが、耽美をするときだけ筋力のありそうなキャラクターを押し倒すという、耽美らしいストーリー展開も可能になります。
特にツクダホビーから発売されている学園ラブコメRPG「学園ぱらだいす」や、「RPG福袋'93」に収録されている鎧ものRPG「-聖戦士RPG- プラネットナイツ」との併用を、お勧めします。
キャラクターのつくり方
まず、マスターがどんな耽美にするかという方向性を決めます。もちろんプレイヤーたちが興味を示しそうなジャンルを選びましょう。
次にキャラクターの配役をします。プレイヤーに好きにキャラクターを決めてもらってもいいでしょうし、マスターが先におおまかに決めておくという方法もあります。
プレイヤーが決める方法では、まとまりのつかないキャラクター集団になることもありますが、プレイヤーが好みのキャラクターを演じられるので、プレイにも熱が入ります。
マスターが決めておく方法では、プレイヤーがキャラクターに興味をしめさないこともありますが、ストーリーの方向性が決まりやすく、またキャラクターのバッティングも避けられます。
どちらも一長一短がありますので、何回かプレイしてみて、プレイしやすい方法を選ぶといいでしょう。
キャラクターの能力は、先に少し説明した通り、耽美に関する能力があるだけです。しかも、プレイ開始時は能力値は常に全員0です。能力値はプレイ前半の行動によってきまるので、今は考える必要がありません。
決めなければならないのは、キャラクターの設定です。
まず男でなければなりません。例外として、アンドロギュノスも可とします。
そして、キャラクターは魅力ある男性でなければなりません。何を魅力とするかは人それぞれです。プレイヤーは、基本的に他の人のキャラクターが好みに合わないからといって、それを変えさせることはできません。ただしマスターだけは、耽美の方向性を決める監督として、好みに合わないキャラクターをボツにすることができます。
プレイヤーは自分の好みのキャラクターを担当することになると思いますが、誰かが「このキャラクターだけは耽美に使って欲しくない!」と言いだしたら、マスターはそのキャラクターを避けるように、調整するべきです。人には譲れない部分というものがあるものですし、それを強引に譲らせてプレイしてもらっても、心にわだかまりを残してプレイしているプレイヤーからは、美しい耽美ストーリーは生まれません。
キャラクターシートには、それぞれのキャラクターの設定を記入します。名前、年齢、外見、性格、趣味、経済状態、社会地位、生まれが不幸とか、保健委員だとか、超能力があるとか、実は天使や悪魔であるなどです。
書かなければならない項目はありませんし、どんな設定にしたとしてもルール上の有利不利はありません。だからといってキャラクターの設定が真っ白のままではプレイできません。プレイヤーはキャラクターシートを記入しながら、自分の演じるキャラクターを掴んでいくものですから、マスターはプレイヤーを、あまり急かさないことです。とくにイラストは、好きなだけ描かせましょう。
全プレイヤーが自分のキャラクターに満足したら、キャラクター作成は終了です。
時としてキャラクター作成は非常に時間がかかりますから、マスターが先に方向性をプレイヤーに連絡しておき、作成済みのキャラクターを持ってきてもらうというのも、いい方法です。しかも、学園薔薇ダイスのキャラクターメイキングは、間違えるところが何もありませんから、マスターもプレイヤーが持ってきたキャラクターを、チェックする必要もありません。
能力値の決まり方
キャラクターには、4つの能力値があります。
愛、肉欲、拒絶、そしてその元となる潜在力です。
最初の3つの能力値は、それぞれの感情に根差した行動力をあらわしています。最後の潜在力は、3つの能力値をどれだけ伸ばすことができるかをあらわします。
それぞれの行動力は2D6+能力値で、値が大きいほど、うまく行動したことをあらわしています。そして、行動が成功するたびに、その行動に関係する能力値が伸びます。
まず、潜在力にコインを7枚セットしてください。同人誌即売会前日のホテルにいるなら、つり銭があると思います。(え? 全部千円に統一しているから、小銭がないんですか?)
そしてプレイを開始します。雰囲気は、リプレイを参照してください。
プレイヤーがキャラクターに耽美な行動をさせます。
マスターが、その行動が成功したかどうかを決めます。
成功なら、マスターはさらにその行動が、どの能力値に対応する行動かを決めます。
そうしたら、プレイヤーは潜在力からコインを1枚、使った能力値に移動します。
このようにして、愛のロールプレイが得意なキャラクターは愛の能力を伸ばし、肉欲に走るキャラクターは肉欲の能力を伸ばし、拒絶ばかりしているキャラクターは拒絶の能力値を伸ばすのです。そして、延びた能力値を使う行動は、より成功しやすくなります。
ここでポイントとなるのは、プレイヤーが愛のつもりでロールプレイしても、それが愛なのか肉欲なのかを判断するのは、マスターだということです。つまり、他の人に目的通りに理解されないロールプレイは、ただの一人耽美になっているというわけです。RPGは他の人に理解されるロールプレイをしてこそ、始めてロールプレイに価値が生まれるのです。
能力値は、誰か一人が潜在力を使い切ってしまうと、他の人はもう伸ばすことができません。7枚のコインをすべて能力値に変換できるのは、最も積極的に耽美なロールプレイをしたか、魅力的なキャラクターを設定した一人だけなのです。
一方、使いきれなかった潜在力は、次回の潜在力増加のために、経験点として溜まっていきます。経験点が溜まり、貨幣の単位と同じ値(1,5,10,50~。最近2000も増えましたね。現物、いまだにお目にかかったことがないんですが。)に達するたびに、最初の潜在力が1枚増加します。
より活躍できなかったキャラクターほどたくさんの経験点を得て潜在力が上昇しますが、どれだけ潜在力が上昇しても、うまく活躍できなければ無いも同然です。活躍できれば能力値を他のキャラクターより上昇させることができます。一方、誰よりもロールプレイがうまく、常に一番最初に潜在力を使い切ってしまう人は、時には主役を他の人にゆずらなければ、経験点を貯めることができないのです。
行動判定
通常行動の判定
この項目は、マスターにとって重要な項目ですが、プレイヤーが目を通したからといって、益になりこそすれ、害になることはありません。マスターはよく読んでおいてください。プレイヤーは興味があれば読んでみてください。
マスターは、プレイヤーが決めたキャラクターの行動により、状況がどのように変ったかを決めます。どのように決めるか?
これがポイントです。
まず、マスターはどのようにも決めることができます。プレイヤーはマスターの決定に逆らってはいけません。
しかし、マスターの決定がプレイヤーには納得できないものばかりであれば、プレイヤーは不満を持ってしまいます。いかにも妥当な結果ばかりでも退屈です。このRPGの目的はプレイヤーがキャラクターになりかわって行動を決め、耽美なストーリーを作り上げることですから、マスターはより耽美なストーリーに導くように、もっとも耽美っぽい結果を考えればいいのです。
このあたりは、とことんマスターの趣味で決めてしまいましょう。その趣味がどれだけプレイヤーたちを楽しませるかが、マスターの監督としての腕の見せ所です。
一方、プレイヤーはマスターには逆らえませんが、実はマスターもプレイヤーには逆らえません。プレイが始まったら、プレイヤーがどんなにキャラクターに無茶なことをさせようとも「そんなことは不可能です」と却下するわけにはいかないのです。
それが、特に明確なワールド設定もなく、キャラクターの能力値が耽美についてしかないために、超能力者だろうが天使や悪魔だろうがプレイ可能としている学園薔薇ダイスの宿命です。しかし、もとよりRPGに参加しているのは同じような趣味の友人で、どんな世界の耽美を作るかを決めてからプレイしているなら、それでものすごく困るということはないはずです。
それでも、マスターがプレイヤーの決めたキャラクターの行動を、どうしたらいいのか困ってしまうことがあるでしょう。たとえば、特にそれができるという設定のないキャラクターが、50Kgの荷物を持って、100mを9秒で走ると言いだしたらどうでしょう?
それが耽美なシーンを作り上げるなら、出来たことにしてしまいましょう。
しかし耽美でもなんでもなく、それどころかシーンが耽美でなくなってしまいそうだったり、マスターが常識的に考えて無理だと思ったなら「キャラクターはそうしようとしたけど、できなかった」という結果になるのです。
それでプレイヤーが納得しなさそうだったら、サイコロを使った判定をします。
マスターが値を決めます。あまり成功させたくなければ10くらい。絶対に成功させたくなければ20くらいまで値を大きくしましょう。
そして、プレイヤーにサイコロを2個振らせます。
1のゾロ目だったら、マスターの決めた値が2であっても、失敗です。
6の目が出たら、サイコロをもう1個振ることができます。
また6の目が出たら、さらにもう1個という具合に、6の目が出続けるかぎり、サイコロを振り続けることができます。
そのサイコロの目の合計が、マスターの決めた値以上だったら、行動は成功です。
プレイヤーにサイコロを振らせるというところが、ポイントです。とにかくマスターが決めた値がどんなに大きくても、失敗する確立は100%にはなりません。サイコロを振るのは誰が振っても同じなのですが、成功か失敗かの運命をプレイヤーに握らせることが、雰囲気として大事なのです。
逆に、サイコロを使った判定を盛り込むことにより、マスターにも予測がつかない失敗の可能性をプレイに取り込んで、プレイを盛り上げる緊張感を得られます。マスターの決めた値が2や3なら、そうそう失敗するはずはないのですが、万一失敗するかもしれないという可能性は、常にあるのです。
結局は、成功しても失敗してもサイコロの運がよかったかどうかだけなのですが、プレイヤーがサイコロを振ったことにより、プレイヤーが成功させたという雰囲気が出ます。それが大事なのです。
ただし、学園薔薇ダイスは耽美RPGですから、耽美ではないシーンを無理に盛り上げる必要はありません。
耽美行動の判定
ここで一つ、学園薔薇ダイスが他のRPGと大きく違う点が出てきます。
多くのRPGでは、敵をマスターが演じて、プレイヤーのキャラクターが戦いを挑みます。しかし学園薔薇ダイスでは、耽美する相手をマスターが演じる必要はないということです。プレイヤーのキャラクターが耽美する相手は、基本的に他のプレイヤーのキャラクターなのです。
マスターは、キャラクターの行動が耽美だと思ったら、この耽美行動の判定で結果を決めます。方法は通常行動の判定とほとんど同じですが、次のことが違います。
まず、能力値を使います。サイコロの値に能力値を足すことができます。能力値は最初0ですが、行動が成功するたびに1づつ上昇します。
どんな行動がどの能力値を使って判定するかは、マスターが独断と偏見で決めてください。とはいえ、これではわかりにくいでしょうから、例を示しておきます。
逆に言えばプレイヤーがキャラクターの行動をロールプレイせずに、愛情の行動をすると言っても、行動は成り立ちません。
愛情 言葉通りの愛ゆえの行動。
肉欲 愛情が感じられない、愛があるかのような行動。
拒絶 つまりは「あんたなんかキライだッ!」
そして、耽美行動には必ず相手がいるはずです。(徹底したナルシストでも、自分に対して愛情行動を行えません。誰かが行動を仕掛けてくるのを、待ってください。)成功するかしないかは、相手の行動にかかっています。
まず、相手がすんなりと行動を受けてしまった場合、相手プレイヤーがとっさ(10秒を、マスターがカウントダウンし、その間にロールプレイが始まらなければ)に対応するロールプレイが出来なかったり、うろたえてしまったら、仕掛けた側の勝ちです。
相手がさらに愛情や肉欲の行動を仕掛け返してきた場合、はっきりと逃げたり、嫌悪をあらわにした場合、サイコロの値+能力値が大きな方が勝ちであり、行動の結果が優先されます。値が同じになってしまったら、引き分けで、そのシーンはチャラになります。
6の目で振り足しができますし、1のゾロ目で無条件失敗となります。
なお、注意しておかなければならないことが、3点あります。
まず、プレイヤーの誰かが潜在力を使い切ったら、他のプレイヤーが潜在力を使えなくなりますから、マスターはプレイヤーにそれを説明して、潜在力を使い切りしだいそれを宣言するように言っておいてください。
次に、誰かが潜在力を使い切るまで、直接的な耽美行動は取れません。直接的な耽美行動とは、つまりヤオイ行動のことです。この学園薔薇ダイスでは、耽美戦闘と呼びます。マスターはこのことも、プレイヤーに説明しておいてください。
最後に、耽美戦闘にそなえて、肉欲の能力値を1でもいいから蓄えるようにアドバイスしておいたほうがいいでしょう。でないと常に耽美戦闘に負け続ける、受け専になってしまいます。もっともそれでもいいという人もいるでしょうから、強制はしません。
耽美戦闘の成功判定
誰かが潜在力を使い切ると、他のプレイヤーが潜在力を使えなくなるかわりに、耽美戦闘が解禁になります。キャラクターの能力値も一応固定して、これからが本番です。
まず、耽美戦闘は1対1でしか行えないことにします。1対多や、多対多の耽美戦闘もあるでしょうが、ルールが複雑になりRPGが面倒になるので、行えないことにしてしまいます。ハウスルールとして、そのあたり自作しても、面白いでしょう。
判定方法は耽美行動の判定とほとんど同じですが、次のことが違います。
まず、耽美戦闘を開始できるのは、肉欲が1以上のキャラクターだけです。肉欲が0のキャラクターは、自分から耽美戦闘を仕掛ることはできません。それでも耽美戦闘をしたければ、うまく他のキャラクターをさそって下さい。
常に戦闘が開始された時に、肉欲のコインが多い方が攻めです。ですから、誘い受けも表現可能です。コイン枚数が同じなら、戦闘を開始した方が攻めです。
そして、耽美戦闘では勝った時は何もかわりませんが、負けるたびに肉欲のコインが1枚減ります。そして戦闘は決着が付くまで続けられます。
以下に手順を示しますが、?と書かれている部分が、プレイヤーから行動を聞いてマスターが判断する部分です。
まず、攻めが肉欲で攻めて、受けが?で受けて、値を出します。値が相手より小さい方が、肉欲のコインを1枚減らします。
次に、受けが?で反撃して、攻めが受けの?と同じ能力値で防御して、値を出します。受けは相手が苦手とする能力値を使えば、有利に戦闘を進めることができるでしょう。そして値が相手より小さい方が、肉欲のコインを1枚減らします。
肉欲の値が逆転した時、受けは攻めに回ることもできますが、受け側の好みで受けのままでいても、かまいません。
決着がつくのは、次の場合です。
どちらかの肉欲が0になった。つまり、最初から肉欲が0のキャラクターを相手にすると、耽美戦闘は一瞬で終わります。
どちらかが6のゾロ目を出した。出した方が満足して戦闘終了です。
どちらかが1のゾロ目を出した。出した側がブレイクダウンします。
補足 能力値とコイン
このゲームで能力値にコインを使うのは、まず能力値がどんどん可変するシステムを、作ってみたかったのですが、書きこみ式だとどうしても書いたり消したりが煩雑になります。つぎに単なる値の計算は無機質で覚えにくいけれども、お金の計算だと思えばすぐに覚えられるだろうと思ったからです。
なお、現金ではあまりにも雰囲気が出ないという方には、ゲームショップで売っているチップや、外国のコインの使用を、お勧めします。
おまけゲーム「スピードタンビ」
これは、学園薔薇ダイスと同じルールで行う、手軽でスピード感あふれるタンビゲームです。キャラクターメイクの時間を入れなければ、1回10分ほどで終わります。
まず一切のシュチエーションや、キャラクターのいる場所や状況は無視します。
それ以外のルールは、通常の耽美と同じです。
時計回りに一人10秒づつ、相手の名を呼びながら「耽美行動」をします。
そして即座にマスターが「没」か「OK」かを告げます。
「OK」なら、相手も即座に10秒間「耽美行動」に応えます。
そして即座にマスターが「没」か「OK」かを告げます。
両方OKなら、マスターは行動の能力値を宣言し、サイコロを振って判定します。
ポイントは、いかに10秒以内に耽美を説明できるかです。
時間切れになると、自動的に「没」になります。
マスターがテンポよくプレイを進行させ、行動宣言の10秒をカウントダウンして急がせると、恥ずかしがっていた人でもつい過激な耽美をしたり、耽美に誘われたときについ受けてしまって相手を勝たせてしまい、大変面白くなります。
後半「耽美戦闘」が可能になったら、「肉欲」が0の人はゲームから脱落します。
そして最後に残った一人が、タンビの勝者です。