世界についての妄想
ベルーニ宇宙の旅
ベルーニの移民宇宙船は、テレポートオーブとかあるんだから、ワープっぽいことしてるのかもしれないし、してないかもしれないし。
コールドスリープがあるから、それを使ってるのかもしれないし、使ってないかもしれない。クレイドルの施設なんか、当時のものを転用してんのかもしれないし。
世代交代型宇宙船もありだと思う。
ただ光速に近いスピードで飛ぶと、時間の流れが違ってくるから、ベルーニ側は1万2千年は過ごしてなくなるんだよな。かなり短縮される。
コールドスリープと併用かもな。クルーと、眠らされた旅客と。
艦長含む体格が立派ですごい能力のベルーニは世代交代しながら旅をしてきたクルー&その子孫で、普通のベルーニはコールドスリープで旅をしてきた者たちの子孫とか。
でもってクルーは一定以上の能力を持った者が一定数必要で。足らなくなっても困るし、多すぎても困る。能力は高い方がいい。
船の資源は限られているから、厳密な人口調整が必要で、なおかつ一定以上の能力者を保持するためには、余裕をもって人口を増やし、能力の高い者だけをクルーとして残し、そうでない者にはお引取り願ってコールドスリープ。
いやスタートから、受精卵かその前後で遺伝子をチェックして、生存に適さない者や、無能力者をふるい落とす。生まれてからも、特別能力を示している者以外は、競技場などで自分の能力を示さなければならない。
能力があっても、その上が一定数いればアウトだけれど、血が濃くなりすぎても困るので、そのへんのイレギュラー的調整はある。
それにクルーとして活動していれば、厳重に守られてコールドスリープしている者たちより、宇宙船による遺伝子被害が大きそうだし。突然変異で進化もするけど、変異のほとんどは有害無益だし、そこらへん厳密にやりつつ融通しないといけなくて。
男が種をばら撒くのは禁止。どんなに能力的に高くても、その子孫ばっかり増えすぎると、遺伝子の多様性が損なわれる。
役割分担が徹底していて、とてつもなく能力がある者が女性の場合は、妊娠~育児でのロスが認められず、代理母に任せなければならなかったり。
ダイアナなんかね、きっとこの能力が高い女性でさ、ファルガイアに到着して、でもまだしばらく大変な時期が続いて、やっと落ち着いてから、高齢気味ながら大喜びで自分の子を産み育てたり。
長命のベルーニの出産育児はニンゲンと比べて高齢だろうし、ファリドゥーンが直系の長子とは限らないとしても、祖母188歳、孫24歳だし。
艦長とか教授の場合は…、特に教授なんか子ども好きそうだし。
きっとファルガイア到着時に合わせて、一切の余裕を切り捨てた、さらなる人口調整が行われていたと考えるのはどうだろう? 到着時、子育てをしている余裕はない、っていうことで。
ファルガイアにやってきたベルーニは、ニンゲンを馬車馬のように働かせたけど、ベルーニも馬車馬のように働いていて、別に楽してたわけじゃなかったと思う。
だってベルーニの文明レベルを考えたら、文化も文明レベルも違う連中に、働き方を教えて使う手間の方が大きいんだから。
新入社員を山ほど抱えて教育して仕事させるなんていうもんじゃないぞ。
トニーじいちゃんが70歳で、15歳前後でベルーニから技術を教わったとして、ベルーニがニンゲンに技術を教える余裕がでてきたのは、入植してから40年はたってることになる。
いきなり全員移住じゃなくて、いやだってコールドスリープしている連中一度に全部起こしたら、さっそく衣食住に困るわけで。
事前調査&準備の期間もあったはずで、最初は艦長、教授、ダイアナ他の、特にスゴイベルーニが地表に立って、そのころ教授が活躍して、そのわずかな活動が、ベルーニはめちゃくちゃ強いっていうイメージの先行と、すでにニンゲン文化と文明崩壊の芽となっていた。
文明の格差により、ニンゲンはベルーニに、労働力や食料といった富を差し出して文明を得ようとし、ベルーニはニンゲンの富を吸収する形になり、ニンゲン文明は崩壊、ベルーニ支配体制ができていったんだと思う。
それが艦長が撒いた不和の種。
ってもう宇宙船の話じゃないな。
ともかく船の長い時間の中で、強いもの能力のあるものだけが、世代交代を繰り返してさらに強くなり、強いものが偉い&はっきりした上下関係の、ベルーニ社会の基礎ができた、とか想像してみた。