(C)hosoe hiromi
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アヴリルの手紙

 それは、別れを知ったアヴリルが、旅の途中こっそりと書き留めた手紙だった。

 所々にじむ文字は、彼女の涙であったかもしれない。

 過去からやってくる「わたくし」に、レベッカの日記を読ませてあげて欲しいと。

 そして仲間たちへの想い。

 ことさら大きな、ディーンへの想い。




 ディーン。わたくしに、約束してください。

 過去からやってくるわたくしと、もう一度お友だちになると。
 そして週に一度は、費用ディーン持ちでデートしましょうね。

 やきそばは5人前まで。でないとお腹をこわしてしまいます。

 寝るときは、グレッグがプレゼントしてくれたハラマキを、ちゃんと身につけてください。

 しっかり者でも、キャロルはまだ子どもです。お兄ちゃんなのですから、頼ってばかりいないで、自分で勉強すること。

 チャックとゴーレム話をしすぎて、夜更かししないこと。チャックよりは、空気が読めるようになること。

 それから何があっても、女の子を泣かせてはいけません。もうちょっと女心を理解するよう努めてください。でないといつか本当に、レベッカが泣いてしまいますよ。



 ディーンが、この約束を守ってくれることを、
 ディーンが、ジョニー・アップルシードとして活躍すること同様に願っています。


大好きなディーンへ。
    アヴリル・ヴァン・フルール


追伸

 なおこの約束が守られなかった場合、新しいわたくしがリリティアとして覚醒するよう、仕込んでおきましたので、覚悟してくださいね。

2008.6.27

 こうなったら、ディーンが嫌だと言っても、周りが許さない。

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