(C)hosoe hiromi
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好きと嫌い キャロル編

 私は私のことが好き。
 私のことが好きだから、
 人にも好かれたいと、切望します。
 イジメられるのは、とても嫌です。
 無視をされれば、怖くなります。

 私はいい子で、いられたでしょうか?
 役に立っていますでしょうか?
 邪魔になって、いませんでしょうか?

 一番好かれたかった人たちに、
 イジメられてしまったのは、
 私の何が、悪かったのですか?

 一番大切であるべき人たちを、
 嫌いになって、捨てた私は、
 とても悪い子なのですか?

 嫌です。私は悪くありません。
 他にどうしようも、なかったんです。
 あの人たちも、そして私も。
 そうですよね?

 自分のことが好きだから、
 人にも好かれたいんです。
 自分のことが好きだから、
 どうか私を、好いてください。
 どうか私を、イジメないで。
 どうか私を、無視しないで。

 好かれるように、頑張ります。
 無視されないように、頑張ります。
 ご迷惑は、おかけしません。
 だから私を、嫌わないで。
 どうか私を、捨てないで。



好きと嫌い チャック編

 どこへいっても誰かがボクを、好いてくれる。
 ダメだってわかってるのに、ボクも誰かを好きになる。
 するとその誰かは、いなくなる。

 誰かを好きになることを、止められそうになかったから、
 誰かを嫌いになることが、できそうになかったから、
 関わらないように、気をつける。

 ボクが頼りなく見えるから、心配してくれるのかな?
 だったら中身がなさそうな、虚勢でこの身を飾ろうか?

 あはは。ダメだね。
 結構楽しいけど、うまくいかない。

 ボクに濡れ衣を着せた人も、理由があってのことなんだし、
 世間を騒がす犯罪者にも、それなりの事情があったりするし、
 騙されたってキミたちを、嫌いになんてなれないし。

 ボクがまき散らす災厄にくらべたら、どれもこれも些細なことだし。

 友だちになりたいよ。
 キミたちが好きなんだ。

 だから、アデュー、お別れさ。
 友だちになる、その前に。
 なくしてしまう、その前に。



 みんなが、好きになってくれるのに、ボクはボクを、好きになれない。
 ボクがボクを好きになって、いなくなってしまいさえすれば、
 全部解決するのにね。



2008.6.24

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