「なあチャック。18歳未満お断りの店って、どういうんだ? 入ったことあるか?」
「興味があるのかい? 大人のための店さ。利用したことはないよ。そんなヒマも金も、それから興味もなかったしね。
ディーンにとっても、面白い店とは思えないな」
「子どもだからか? 大人のための店って、どういう店なんだ? 酒とかなら、普通の食堂にもあるよな」
「お金を払って、酒を飲みながら恋愛の真似事をするのさ」
「酒はともかく、レベッカが好きそうな店だな!」
「ははは! まあ、そう言えなくもないけど、大半は男性向けだよ? それにレベッカは、本物の恋愛はしたくても、嘘の恋愛ゴッコはしたくないんじゃないかな?」
「ふーん。で、なんで18歳未満はお断りなんだ? 酒の売り上げで稼いでるからか?」
「それもあるだろうね。チヤホヤおだてて酔っ払わせて、普通よりかなり高い料金を取る。まあ、若いうちは本物の恋をしろ、ってことかもしれないね」
「チャック。入ったことがない割に、すごい詳しいな」
「客として入ったことはないけど、見習いハンターになる前に、バイトしたことがあるのさ」
「なあグレッグ。40歳以上で、紹介者のある方のみの会員制クラブって、どういうクラブなんだ?」
「それなりの地位と収入を得た大人が、落ち着いて酒を酌み交わし、同類と交友関係を広めるための場……だな」
「グレッグ。もしかしたら、会員なのか?」
「オレは40にはなっちゃねえ!
ジョニー・アップルシードのお得意様だ。何度か納品しに行ったことがある。
まあ大半は、紳士クラブとは名ばかりの、いけすかん連中が同類と慣れあう、狢(むじな)の溜まり場だ」
「ジョニー・アップルシードが好きなのか? だから、こういうクラブの会員のナイトバーンが、オレを特別名誉会員にしてやるって誘っ……」
「絶対にやめておけ!」
「チャック! グレッグ! 見てみろよ! 100歳未満お断りだッ! すげーッ! ご長寿老人会だぜッ!」
「あはは!」
「それはただの、ニンゲンを排斥しているベルーニ専門店だッ!」