◆細江の趣味  >  ◆LUNAR2

不特定多数参加のリレー小説。
ルールは誰でも可、書き込み後24時間は連投不可、だったかな?
かなりの成功を収め、キレイに終わっていると思う。
()内は、書き込んだ人 ヒイロの日記なのに、日記毎にキャラ名が書いてあるのは、他のキャラが乱入するため。

ヒイロの日記(上)

ヒイロ(細江)
 ○月○日 晴、ときどき吹雪
 今日、ルナからレミーナが、たったひとりで星竜の試練も乗り越え、やってきた。
 いわく「だって、お母さまったら私とよりによってボーガンのことを、相思相愛だと思って、結婚したらって言ったのよ!」
 彼女は涙目で、ボクたちにそう訴えた。
 

  

ヒイロ(細江)
 ○月△日 曇り、ときどき雪
 ロンファからの手紙が届く。
 旅を続けるレオがどこにいるかわからず、もしかしたらこっちに来ているのではないかという内容だった。マウリさんが心配しているらしい。もしレオがきたら、「お前はおじさんになるから、一度帰ってこい」と伝えてくれとのことだった。
 ルナからの手紙は、ときどき届く。返信は、手紙が置いてあった場所に置いておく。だけどいったい誰が、メッセンジャーをやっているんだろう。
 ボクはまだ、その姿を見たことがない。

  

ヒイロ(細江)
 ○月×日 晴、ときどき大嵐
 レミーナが、ルナへ帰った。
 ラムスに協力してもらって、「私にはちゃんと、心に決めた人がいるんです!」
 と、お母さんに言うのだそうだ。たぶん、ラムスは大喜びで協力し、そして芝居を芝居ではすまさなくするだろう。
 ボクはふと、ミリア様の目的は、それじゃなかったんだろうか? と、考えた。

  

ヒイロ(細江)
 ○月○日 曇り、ときどき雨
 ついに、手紙のメッセンジャーに会うことができた。
 そのメッセンジャーに、ロンファからの伝言を伝える。
 「というわけで、レオに会ったら、マウリさんに子供が出来たと伝えて・・・」
 「なにー! い、いや、わかった! その伝言、この仮面の白騎士が必ずレオに伝えよう! たぁ!」
 仮面の白騎士は、意味もなく大声を上げながら、走っていった。・・・そうじゃないかとは、思ってたんだ。ロンファも手のこんだことをする。
 それにしてもレオは、手紙を届けてくれるたびに、星竜の試練をくぐりぬけたんだろうか? レオも大変だと思うけど、星龍も大変だと思う。星竜が自ら試練を与えず、代理人を置いた理由は、こんなところにあったのかもしれない。

  

ヒイロ(細江)
 ○月■日 雨
 最近、雪ではなく雨が多くなってきた。青き星が目ざめはじめているのかもしれない。外へ出られないので、神殿の巨大な戦士像を調べていたら、動きだしたので、驚いた。たぶん、眠っていたルーシアのための、ガーディアンなのだろう。数えたら二十八人もいた。戦士像は、まるで大昔の賢者たちのようで、ボクはこのガーディアンを、哲人と呼ぶことにした。
 ルーシアに、台座に書いてあった「キョダイろぼっと」の意味を聞いたら、すごくイヤそうな顔をされてしまった。
 晴れたらこの哲人二十八号に手伝ってもらって、畑を作ろうと思う。

  

ヒイロ(katoh)
 ○月◆日 晴
 星々の輝きは本当にきれいだ。満点の星空を見上げ度に、いつもそう思う。その美しさはルナから見ても、この蒼き星から見ても変わらない。でも、二つの場所から見る星空には、一つだけ大きな違いがある。それはこの青き星の星空には、ルナで見た青き星の変わりに、ボクの住んでいたルナという銀色の星が見える事だ。
 ルナ、銀色の星、女神アルテナ様が青き星を失った人たちへと与え下さった、生命の息吹あふれる恵みの大地、じいちゃんやルビィやロンファやジーンやみんなが、たくさんの人たちが暮らしている所、
 でもどうしてだろう、そんな素晴らしい所であるはずなのに、あの銀色の星を見上げると、なんだか寂しさを感じてしまう。
 本当にどうしてだろう・・・

  

ヒイロ(瑞城 遼)
 ○月▲日 晴れ、ときどき曇り
 今日、ロンファから手紙が届いた。
 レオは相当慌てて帰ってきたそうで、家の扉が破壊されたらしい。(その後ちゃんとレオに修理させたみたいだ)
 子供も順調に育っているそうで、もう少し大きくなったら3人で遊びに来ると書いてあった。
 ルーシアはさっそく子守り歌の練習をはじめた。聞き手は今のところボクだけなので、何だかボクのためだけに歌ってもらってるみたいだ。
 でも、残念なことに最後まで聞けたことはない。いつも途中で眠ってしまうから・・・。

  

ヒイロ(つねひら)
 ○月▲日 快晴
 じいちゃんから手紙が届く。メッセンジャーさんは星竜の試練で怪我をしたのか、額に痛そうなたんこぶを作っていた。ルーシアが、
 「そのたんこぶはどうしたのですか?」
 と訊くと、彼は嬉しそうにニヤっと笑って、何も言わず去っていった。
 何か良いことがあったんだろうか?
 じいちゃんは相変わらず元気らしい。手紙には新しく見つけた遺跡の話やルビィとナルの話、そこまでは良かったんだけど、最後に僕とルーシアの結婚式はいつか? なんて書いてきた。
 こ、こんな手紙、ルーシアに見せられないな……
 手紙をそっと閉まってから、同封してあった花の種をもって畑の方に行った。作物もいいけど、そろそろ花が植えたいな。白い花、赤い花、黄色い花……、どんな花を植えるか、ルーシアに相談しよう。

  

ヒイロ(岸川)
 ◇月○日 曇りのち晴れ
 今日は夜空から銀の輝きが消える日、
 つまり、ルナが完全に欠けて見えなくなる日だ。
 一月に一度訪れるこの時はなんとなく寂しい気持ちになる。
 そこが僕の生まれた故郷だからだろうか?
 それとも、あの星の投げかける光が幼い頃に感じていたあの暖かなまなざしを思い出させてくれるからだろうか?
 そういえば、ルビィにも僕が小さい頃、蒼き星が見えない夜はびいびい泣いてたってからかわれていたなあ。
 でも、今僕は蒼き星の大地に立っている。
 蒼き星のやさしい輝きに見守られることはもうないんだよな。
 そうやってぼんやりルナの見えない夜空を眺めている僕の様子に心配したのか
 ルーシアが僕に話し掛けてきた。
 じっと僕の方を見つめている。
 …あれ? この感じ…?
 ルーシアの瞳の輝きは…
 そうか、僕はこのまなざしをいつも感じて…
 「ヒイロ、大丈夫?」
 もう一度ルーシアが声をかけてきた。
 僕がじっと見つめ返していたからか、ルーシアは頬を染めていた。
 大丈夫だよ、と応えて僕はもう一度ルーシアの瞳を見つめた。
 その輝きが蒼き星のそれと同じ物であることを感じながら

  

ヒイロ(katoh)
 ◇月△日 雨のち晴れ
 午前中の憂鬱に感じた雨も、午後にはすっかり止んだ。雲の間から陽光が降り注ぎ、水溜まりを眩しく輝かせる雨上がりの光景。軽く欠伸をしながら身体を伸ばし、久しぶりに吸う外の新鮮な空気。本当に気持ちがいい。
 ボクの隣で、ルーシアが目を閉じて静かに耳を澄ませていた。「何か聞こえるの?」と聞くと、ルーシアは「ヒイロもやってみて」と言うので、ボクも目を閉じて耳を澄ませてみた。
 始めは特に何も聞こえないように思えた。でもしばらくすると、少しずつ色々な音が聞こえてきた。
 始めに雪の解ける音が、雪解け水の流れる音が、そしてほんのりと頬に暖かい南風の音が聞こえた。本当に小さな音だった。ルナの大地では他の音にかき消されてそうな脆く、それでいて懐かしく感じる・・・まるで唄のようだった。降り注ぐ陽光に雪が解け、小さな水の流れを作り、ほんのりと暖かい南風が吹く、それはまるで春の唄・・・かつて受けた深い傷を癒さんがため、長い冬の中に眠りつづけ、そして今ようやく目覚め始めたこの青き星の春の唄・・・でも、なにか足りないようにかんじてしまうのは気のせいだろうか・・・
 目を開いてルーシアを見ると、まだ耳を澄ましながら閉じるその瞳には、うっすらと涙が浮かびあがっていた。
 考えてみればルーシアは誰よりも長い間、この青い星を見守ってきた。青き星のまだ人が住んでいた頃を知り、太古の戦いによって傷ついた姿を見、女神アルテナ様と共にルナへと旅立つ人々の姿をこの星から見上げ、そして長い間共に眠り続けてきた。ルーシアとって、この青き星は我が子のような存在なのだろう。今、青き星が目覚め始めている。ほんの少しだけだろうが、ルーシアの気持ちが分かるような気がする。
 いつのまにかボクの目にも涙が浮かんでいるのに気がついた。涙を拭いながらあたりを見回すと、さっき疑問に思った、目覚め始めた青き星の春の唄に何が足りないのかがなんとなく分かった。この青き星の多くは、いまだ雪に閉ざされている。だから今まだが大地の唄が聞こえない。そしていつか満ちるはずの溢れる生命の唄も・・・でも、いつの日かきっとルーシアと一緒に、今はまだ完全には聞こえない、きっと素晴らしいだろう青き星の春の唄を聞ける日が来ると信じている。
 いつの日かきっと・・・

  

ヒイロ(細江)
 %月#日
 最近、ルーシアが塔の奥から、妙なものを持ち出しては、いじくっている。
 今日は「てびれ」と「はみこん」だそうだ。
 どうやら青き星版の思い出の水晶らしい。
 いろいろなものが映し出されるけれども、残念ながらボクには意味がわからない。
 「ヒイロ、私は思い出にひたっているわけではないの。どんな花を植えようか? って、ヒイロは聞いたでしょ? だから、調べてみることにしたのよ。ほら、これが青き星。そして、青き星で咲く花よ」
 どこがどう青き星なのかはわからなかったけれども、花はなんとかわかった。
 これは「しむ明日」で、青き星に植える花によって、どう環境が変わるかを、教えてくれるのだそうだ。明日を見るクリスタルというとこだろうか?
 ルーシアは、今度ボクが興味を引きそうなものを、出してきてくれると、約束してくれた。
 勇者アレスに関する予言の記録を、最近見つけたのだそうだ。
 それにしても、「目がドラ」というのはなんだろう?
 記録を見るには、それも必要なのだそうだ。
 目がドラゴンみたいなもののことだろうか?
 勇者アレスが青き星で予言されているなんて、すごいんだな、というと、ルーシアは意味ありげに微笑んだ。
 

  

ヒイロ(な住)
 ◇月▽日 雨
 今日は一日中雨が降っていた。
 しかたがないので暇つぶしに神殿内を探索してみたが、特にこれといって大きな発見はなかった。
 と、ここまで書いたところでルーシアがなにやら興味深そうに後ろから僕のことを眺めているのに気づく。
 「ヒイロ、神殿の探索記録を付けているの?」
 「ちがうよ、これは日記といってね……」
 ルーシアに、「日記」という物について簡単に説明してあげた。すると自分もこれから「日記」を付けてみたいと言いだした。
 ルーシアの日記か……。ちょっと読んでみたい気もするけど、勝手にひとの日記を読んだらいけないよな。

  

ルーシア(な住)
 ◇月▽日 午後○時◎×分~午後●時●◇分間を除き雨
 午前◇時◎◎分 起床。
 午前◇時●×分 ヒイロを起こす。
 午前◇時●△分 ヒイロとともに朝食を摂る。
 午前◆時◎◎分 雨の勢いが強くなる。
 午前△時◎◎分 雨の勢いがわずかに弱まる
 (以下、しばらく天気の変化が記してあるだけなので中略)
 午後◇時×●分 ヒイロが暇つぶしだといって神殿の探索に出かける。私はその間子守り歌の練習をする。
 (以下、しばらく天気の変化が記してあるだけなので中略)
 午後□時×▲分 ヒイロから「日記」という物について学ぶ。私も「日記」を付けてみたいと提案する。
 午後□時×○分 生れて初めて「日記」を書く。
 午後■時◎◎分 就寝。

 

 ヒイロ(細江)
 ■月■日雨
 ここのところ、雨ばかり続くので、畑仕事や庭仕事ができない。
 ぼーっと雨をながめていたら、ルーシアが来て、「はい!」と、一冊の本を差し出してきて、日記を書いたから、読んで欲しいという。
 どうやら大昔の青き星には、「交換日記」というものがあり、友人や恋人の間で、一日ごとに日記を交換するという儀式があったらしい。
 ルーシアは、どうやらその交換日記を、やってみたいらしいのだ。
 隠し立てするような秘密もないし、それも面白いかもしれないと、思った。

  

ヒイロ(岸川)
 *月*日 風の穏やかな日
 最近、蒼き星に「生きているもの」が僕らのほかにもいることを発見した。
 しかも僕のすぐ近くに。
 その謎の同居人の名は…ノミ。
 僕の服についていたんだ。
 どうりで首のあたりがかゆいと思った。
 きっとルナでみんなと別れた時にルビィに泣き付かれた時に移されたものだろう。
 (と思う、ルビィが怒るかもしれないけど)
 ん? ということはこのノミはルナから蒼き星へと渡ったはじめてのノミなの? 

  

ヒイロ(岸川)
 ○月◎日 魚のような形の雲
 今日も僕は「生きている」同居人を発見することとなった。
 しかも彼らは僕が連れてきたわけではない、完全に蒼き星で生まれた存在だ。
 彼らとであったのは、食料庫。
 ふと部屋の隙間を覗き込んだ時に発見したのだ。
 その名はゴキ○リ。
 一匹見つけたら三十匹はいるという、彼らである。
 彼らは死の星だった蒼き星でもこうして生きてきたのか。
 さすがに強靭な生命力を誇る彼らである。
 (グェン爺ちゃん達と暮らしていた時は食べ物が何にもなくて、干からびていたやつしか見なかったけど)
 その時ちょうどルーシアも彼らを見つけたのだけど、彼女は思い出したかのように「キャー」と叫んだ後、どこからかスリッパを取り出して彼らを追い駆けまわしていた。
 聞いてみると叫んだのは以前レミーナ達に彼らを見つけたら僕の前ではそういう反応をするように言われていたからだそうだ。(なんでだろう?)
 そして、彼らを叩くのに使った道具は「ゴムスリッパ」といって、普段は履き物なのだけど、さっきのような時に使ったり、蒼き星ではその昔、台の上で小さな玉を打ち合う遊びのラケットに使ったり、人の頭を叩いて人を笑わせるための道具にも使っていたのだそうだ。
 …蒼き星の人って一体? 

  

ルーシア(瑞城 遼)
 ○月◎日 ×時◇▲分~×時◎▼分まで曇り その他は晴れ
 午前□時×○分 起床
 午前□時▲▽分 ヒイロを起こす。
 午前□時▲●分 ヒイロと共に朝食を摂る。
 (しばらく天気変化の記録)
 午前×◇時●□分 昼食の材料を取りにヒイロと共に食料庫へ向う。
 隙間でゴ○ブリを発見。よく観察しようと近づきかけて、ふとレミーナの言葉を思い出す。
 「いーい? ルーシア。よぉーっく覚えとくのよ。もしもヒイロの前でゴキ○リを見つけたら、まず『キャー』って叫ぶのよ。その後、ヒイロに抱きつ・・・。・・・無理よね・・・。え? あ、ああ! いいのいいの、気にしないで! ただの独り言だからっ♪ とにかく! ヒイロの前でゴ○ブリを見たら『キャー』よ、『キャー』!」
 さっそく、それを実践する。・・・何のためなのかしら・・・?
 ともかく『キャー』を叫んでから「ゴムスリッパ」を持ってきてゴキ○リを退治する。
 ヒイロに「ゴムスリッパ」について説明。
 普段は履き物だが、ゴ○ブリを発見したときなどは先ほどのように使用する。また、遊びに使ったり、人を笑わせるために使ったりもする。とても用途の広いものだと説明するが、ヒイロは不思議そうに「ゴムスリッパ」を眺めていた。
 (ふたたび天気変化の記録)
 午後□×時△▲分 本日の「日記」を記入。
 午後□▽時○×分 就寝準備後、ヒイロと日記を渡す。

  

ルーシア(つねひら)
 ◇月△日
 今日は「しむ明日」でヒイロが植えるお花の色を決めてみようと思う。
 どんな色が良いかしら……
 かわいい赤色がいいかしら?
 ルナで買った、赤いチューリップのパジャマとお揃いの色。
 ……… 作成……… 完成図表示……
 ………ルナの夜空におおきな「赤き星」が輝いているのは、
 あわないような気がする。
 ルナの夕焼けは綺麗だったけど、それが一晩中続いたらルナの人々が驚いてしまうわ。
 じゃあ、いろんな色の花を植えてみたらどうかしら?
 グェンが送ってくれた花、全部を植えて。
 ……… 作成……… 完成図表示……
 ………、でもこれでは「サイケカラーの星」になってしまうし、やっぱりルナの夜空にあわないような気がする。
 あら? 画面端に何か表示されてる。何かしら……?
 『生態系の循環が完成していません。
 ……ゴキブリが全滅しました。
 ……植物に栄養が行き渡りません。
 ……このままでは生命が生存できません』
 私には、青き星を司る資格がないのかしら……
 

  

ヒイロ(つねひら)
 ◇月△日
 今日、ルーシアががっかりした顔で「てれび」の部屋から出てきた。
 何があったのか訊いたけど、ため息をつくばかりであまり話してくれないし、
 「私、青き星をお花でいっぱいにしようとしただけなのに……」
 と言われても、僕には何のことだかよくわからない。
 よくわからないけど、ルーシアから聞いた話を総合すると、ゴキブリが全滅したらしい。そしてお花も枯れてしまったらしい。
 ゴキブリが全滅したのは、食料が荒らされなくてすむし、それはそれで嬉しいことだと思うんだけど……
 でもルーシアは、
 「青き星を司る私には、種の生死を決定することはできないの」
 と、ため息混じりに言った。
 あの部屋で一体何があったんだろう?
 今日はもう遅いから、明日、ルーシアを誘ってピクニックに行こうかな。
 じいちゃん仕込みの料理をお弁当にして、どこか見晴らしのいい場所に……
 再生も進んでせっかく暖かくなってきたのに、ルーシアがふさぎ込むと、また青き星が凍てついたように冷たくなってしまう感じがするから。
 

  

ルーシア(細江)
 ☆月×日 晴れのち雲り、ところにより雨一部雪と雹
 ▽時■分
 ルナから、様々な植物の種、そして小動物の輸入計画を立てる。
 ルナの動植物の大半は、もともと青き星の再生の日のために、ルナへと移植されたものなのだけれども、長い年月と、そして魔法力が、多くの種を変異させてしまっている。
 だけど、青き星の生態系を完成させるには、どうしても多様な種が必要。
 計画の第一段階として、仮面の白騎士を捕まえるためのワナを仕掛けた。
 ○時○分
 ワナが稼動。かかったのは、ヒイロだった。

  

ヒイロ(細江)
 ☆月×日
 今日は天気がめちゃくちゃ。
 どうやらルーシアの機嫌に、影響されているらしい。
 大好きなルーシアへ。
 ワナをしかけるときは、事前に教えてください。
 ボクでなければ、死ぬとこだったと、思います。

  

ヒイロ(岸川)
 ●月×日 晴れのちくもり
 今日は、ルーシアが仕掛けたレ…、仮面の白騎士を捕まえるための罠をとりはずすことにした。
 彼は手紙のメッセンジャーであって、常に植物の種を持っているわけではないということ、そして彼の場合、罠を仕掛けて捕まえるよりもっと簡単な方法があることを教えてあげたんだ。
 その方法は「困ってみせること」。
 彼は「正義の味方」だから困っている人のもとへはすぐに駆けつけるのだ、って本人が言っていたし、実際ナルやボーガンさんの例ではどこからともなくあらわれたらしい。
 明日、本当に来るかどうか試してみようね、ルーシア。
 PS
 でも、仮面の白騎士に手伝ってもらうのはいいアイデアかもしれないね。
 彼の大地の魔法は畑を耕すのにとても役に立つだろうし、ってルーシア、仮面の白騎士のこと、きちんとわかってる? 

  

ルーシア(細江)
 ●月*日 晴れ、晴れ、晴れ、晴れ、やや曇り、晴れ・・・
 困っていると、仮面の白騎士が来てくれた。
 ヒイロが来てくれることは、知ってる。
 っていうことは、ヒイロが仮面の白騎士ということになる。
 だから、この日記を渡すことにした。
 種を、お願いしますね。できるだけたくさん。

  

ヒイロ(な住)
 ●月*日 晴ときどき曇り
 今夜はなぜかルーシアが日記帳を僕のところに持ってきてくれなかった。
 ルーシアの部屋に行ってみたがもう寝てしまっているようだ。
 起こすのも悪いし、しかたがないので以前使っていた日記帳に日記を書いている。
 今日、メッセンジャーである仮面の白騎士がルナからロンファの手紙を届けにやってきた。
 手紙を受けとり、お礼を言おうと思ったら突然、
 「むむむ…!? 誰かが私を呼んでいるぅっ!!」
 …と、叫んだかと思うや否やよくわからない奇声を発しながら凄まじい勢いで走り去ってしまった。
 「誰かが」といっても、この星には僕以外にはルーシアしかいないんだけどな……。
 多分ルーシアが「困ってみせた」んだろう。
 ……でもよくルーシアの声が聞こえたもんだな。この時ルーシアは神殿の外、僕は中にいたから僕にはルーシアの声は聞こえなかったんだけけど。
 獣人族ってそんなに耳がいいのかな? それとも彼が特殊なだけなのかな?
 とにかく気を取り直してロンファの手紙を読んでみた。
 内容は、◎月☆日頃に子供を連れてこっちに遊びに来るというものだった。
 こりゃあ急いで歓迎とお祝いの準備をしなくちゃ、だな。たいしたもてなしはできないかもしれないけど。
 その後レオがなにやら不思議そうな表情をしながらルナへ帰っていった。
 ……何があったんだろう?

  

ルーシア(伊武)
 ○月◆日 曇り時々雪
 今日、レオさんにあいました。
 けど「私は仮面の白騎士だ! 断じてレオと言う良い男ではない」と言うんです。
 やっぱり、人間て不思議ですね。
 ヒイロはどうおもいます?
 PS
 それと、レオさんもたまにメッセージを残したいそうです。

  

ヒイロ(細江)
 ○月○日
 ヒイロよりルーシアへ
 あ・あのねルーシア。はずかしいから、この日記はレオには見せちゃ、だめだよ。

  

ルーシア(細江)
 ○月○日
 ひさしぶりに、そしていつものように突然、レミーナが来訪。
 見知らぬ人物を数人連れてきている。
 星竜の試練=学校の卒業試験とのこと。
 残念ながら、青き星に到着してから、全員が私の罠にかかってしまい、不合格になってしまった。
 かわいそうなことをしたかしら。
 レミーナがこの日記に興味を持つ。
 見せてもいいわよね。だって、レミーナはレオではないんですもの。

  

ヒイロ(伊武)
 ○月○日 快晴
 今日は仮面の白騎士がやってきて、ルーシアにとたくさん花の種を持ってき手くれました
 直接あって渡していく事を進めましたが、どうやら白騎士はルーシアには弱いみたいです
 そう言えば今度ロンファもマウリと一緒にこっちに来るそうです。

  

ヒイロ(半蔵)
 ◯月#日 曇
 今日、白騎士がいつものように持ってきた何通かの手紙の中のロンファやレミーナからのの他にジーンの手紙が混じっていた。
 そういえば、ロンファやレミーナからの手紙は多いけど、ジーンのはめったにこない。
 久しぶりのジーンの近況報告。
 ジーンの手紙には、最近よくにキャラバンにレオが訪れるのに、顔をみせにきたわりには、なぜかジーンに対してはよそよそしいらしい。
 どういうワケかレオはジーンのダンスを遠目で見つめてはいるのだが、アンコールも終わり、ジーンのファンクラブの男どもがジーンに群がりはじめると、いつのまにか立ち去ってしまうそう。
 久しぶりに会うのだから、あの頃精神的にもできなかった、ゆっくり酒を組み交わしながら二人で今の平和を楽しんでもいいのに、なんグチってある。
 よく考えるとジーンの近況報告には、他のみんなよりもレオついて結構書いてあるな。
 レオはそんなにたびたび、ジーンの顔をみにいってるんだろうか?
 ふと、おもいついて仮面の白騎士にジーンがレオの事を心配しているらしいよと告げたら、かなり動揺してた。

  

ルビィ(katoh)
 ☆月◇日 ちょっぴりナイーブなオサカナ日和
 何よヒイロの馬鹿! せーっかくわたしが青き星まで随分苦労して会いにきてあげたのに、ちょっとヒイロの日記を見ようととしただけで、何もあそこまで怒る事ないじゃないのよ!
 あんまり頭にきちゃったから、ルナに戻る時にヒイロの日記を勝手にもってきちゃった。
 ・・・・ヒイロ、今頃困ってるのかなあ。ちょっと悪いことしちゃったかなあ
 ・・・ごめんねヒイロ。
 でもいいなあヒイロとルーシア、二人とも仲がとっても良さそうで。交換日記かあ、うらやましいなあ・・・わたしとナルとなんか・・・今のなし、冗談、間違いよ。ナルなんかまだまだ子供だもん。それにいつも喧嘩ばっかりで、ナルったら、わたしの顔を見るといつも悪口を言ってくるのよ。まーったく、まいっちゃうわよ。あーあ、素敵な相手が見つからないかなあ・・・

  

ナル(katoh)
 ☆月※日 うざてってえ曇り空だ
 だぁーーー!
 めんどくせえ!
 なんだってオレ様がこんなもの書かねえとならなえんだ。
 ルビイの奴、交換日記とか何とかぬかして、オレ様にこいつを書けと渡しやがったが、よく見りゃあこいつは元々ヒイロの日記じゃねえかよ。まったく、あいつは何考えてやがんだか。だからガキだってんだよ。
 まったく少しは大人になりやがれよ。じゃねえとなあ、じゃねえとなあ・・・ちっ、どうでもいいや、あいつがガキだろうとどうだろうと、オレ様には関係のないことだ。大体なんだよ、何が「素敵な相手が見つからないかなあ」だ。あいつみたいなガキの相手なんかオレ様以・・・だぁーーーーーーーーーーー! 今のは嘘だ、今のはナシ! あんなガキの事なんてどうでもんだよ!
 あー、もういいや、明日も早いし、さっさと寝ちまおうことにしよう。
 しかし、この日記をどうしようか。元々ヒイロのもんだし、いつまでもオレ様が持っているわけにもいかねえ・・レオかジーンか、とにかくヒイロに知り合いにでも会ったら渡しちまうとしよう。

  

ジーン(半蔵)
 日記△日@日 ルナ晴れ
 今日、カーニバルにナルとルビィが遊びに来た。
 帰り際にナルから仮面の白騎士にこれを渡してくれなんて日記を頼まれちまったよ。
 仮面の白騎士ってアイツしかいないよね。
 ナルもなんで、レオあての頼み物をアタシに持ってくるかねぇ。
 でも、悪いけどつい、好奇心が勝っちゃって日記をパラパラみちゃったよ。
 おもったとおり、あのふたりは蒼き星で仲良くやってるみたい・・・二人だけの世界かぁロマンティックだねぇ、いいなぁ・・・って・・・!?なんだい! レオったらそんなにしょっちゅう蒼き星にいってたのかい。
 こちとら、不器用モンで融通がきかないアイツがどこかで、とんでもないことしでかしてるんじゃないかと心配してたりするのにさ。星竜の試練ならアイツの力じゃ充分大丈夫か・・・って。やだ、アタシ何ホッとしてるんだろ。
 たまに顔見せにくるにはくるけど、アイツ、なーんか、ぎこちなくって何言ってんだか、わかんないままいつのまにかいなくなっちまう。
 レオが見にくる時って踊りも調子よくステップが踏めて、いつもより男客のラヴレターや花束が多いくらい出来良いのだけど。あのとーへんぼくには踊りの善し悪しなんてわかんないんだろうなぁ。最後まで見てくれてるのかしら。おかげで手紙を持ってきてくれるのはいいけど、返事を渡す頃にはいなくなっちまうし。なんか煮え切らないったら。まったく。
 ところで、これレオもとい仮面の白騎士に渡してもいいものかねぇ。
 レミーナはしょっちゅう蒼き星に行っているらしいし、ロンファとマウリも子供連れて蒼き星に行くなんて言ってたから、そっちに渡したほうがいいのかねぇ。律儀なレオが人のモンみちゃうなんてありっこないけどさ。
 レオも未だ、仮面の白騎士やってるなんて・・・男ってバカというか、そこが可愛いというか・・・。
 ふぅ、今夜も蒼き星は綺麗にみえそうだね。なんだか、ひと踊りしたくなってきたわ。でも残念、ルーシアやヒイロには見えないんだよね。
 今度、艶をますます増したというジーンさんの踊りでも、見てもらいに行こうかね。ルーシアとに歌や踊りを教えてあげるなんて約束もまだだし。
 そうだ、次にレオが遊びにきたとき無理にでもつかまえて案内してもらえばいいか。ついでにレオの妙な態度の原因もはっきりさせたいし。
 フフ。なんだか、楽しくなってきたじゃないか。