2004.2
これについてときどき質問を受けますので、知っていることを書いておきます。ただ、私は両棲人間についてはいろいろ本気で調べてますが、ベリャーエフ自身についてはそう詳しい方ではありません。
まずベリャーエフにはA(アレクサンドル・ロマノビッチ)ベリャーエフと、S(セルゲイ・ミハイルビッチ)ベリャーエフがいます。
いずれもロシアの同時代のSF作家です。
ドウエル教授や両棲人間を書いたのが、Aベリャーエフです。
しかもARベリャーエフは多作で、しかも(Aロムなど)複数のペンネームを使い分けていました。
というわけで、もともと混同されやすい下地があり、国会図書館のリストでは、よくSベリャーエフがAベリャーエフ扱いされています。
そして中でも、「第十番惑星」ですが、絶版の講談社「少年少女世界科学名作全集10 第十番惑星」(1961年 袋一平 訳)では、収録されている「宇宙の神秘」と共に、「S.ベリャーエフ」の作となっているようです。
逆にやはり絶版の角川文庫「第十番惑星」(1976年 袋一平 訳)では、収録されている「宇宙の神秘」と共に、「A.ベリャーエフ」となっているようです。
で、第十番惑星ですが、こちらはSベリャーエフの作のようです。
参考、こちらの文末
これを見るかぎり、セルゲイ・ミハイルビッチ・ベリャーエフ(1883-1953)の1945年の作品となっています。
ちなみにアレクサンドル・ロマノビッチ・ベリャーエフは1884-1942です。
一方「宇宙の神秘」は、Aベリャーエフのワグナー教授シリーズの一作、Над бездной ではないかと思われます。